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従業員のデータリテラシー不足による日本企業の生産性損失額は約1.6兆円

4/9(木) 7:02配信

@DIME

データは企業の成長とイノベーションを促す文化の源泉となるもの。しかし、従業員がデータを十分に理解できなければ、生産性やビジネス価値の低下につながる。

アクセンチュアとQlikが実施した世界9,000人の従業員(日本人1,000人を含む)を対象に実施した調査によると、情報、データおよび技術的問題によるストレスに起因して、企業は毎年、従業員1人あたり平均5日以上(日本では4日以上)の時間を損失している。

また、生産性の損失額は、米国11.9兆円(1,094億米ドル)、日本1.6兆円(152億米ドル)、イギリス1.4兆円(132億米ドル)、フランス1.2兆円(109億米ドル)、オーストラリア1兆円(94億米ドル)、インド4,500億円(46億米ドル)、シンガポール4,020億円(37億米ドル)、スウェーデン3,500億円(32億米ドル)、ドイツ2.6兆円(237億米ドル)*にのぼる。
* 1 米ドル = 108.66円として算出

今回の調査によって、従業員のデータリテラシー(データを正確に読み取り活用できること)は企業が求めるレベルに達しておらず、企業がデータを活用してビジネスを行う上で2つの課題があることが明らかになった。

日本人従業員の58%は、データ過多がストレスの一因に
1点目は、日本人従業員の90%(グローバル87%)がデータを資産と認識しているものの、データを活用して意思決定する従業員は少数であること。

調査結果によると、データを効果的に利用するために十分な準備ができていると回答した人は15%(グローバル25%)で、データリテラシースキルに自信があると回答したのはわずか9%(グローバル21%)だった。

また、日本人従業員の32%( グローバル37%)が、データを活用することでより信頼性の高い意思決定ができると回答した一方で、実際に意思決定する時には、38%(グローバル48%)がデータに基づいた知見よりも直感に頼ることが多いと回答した。

2点目は、データスキル不足による生産性の低下。日本人従業員の70%(グローバル74%)がデータを利用する際に困惑する、または不満を感じ、作業効率に影響すると回答している。

困惑すると回答した一部の従業員はデータ利用を避ける傾向にあるため、回答者の43%(グローバル36%)はデータを使用しない別の方法を考えて業務を行うと答えている。

さらに、日本人従業員の58%(グローバル61%)は、データが多すぎることが職場でのストレスの一因と考えており、回答者の16%(グローバル31%)は、情報、データおよび技術的問題のストレスによる病気休暇を1年で1日以上取得すると答えている。

アクセンチュア データビジネスグループ グループ・テクノロジー・オフィサー 兼 グローバル統括を務めるサンジーブ・ボラ(Sanjeev Vohra)氏は次のように述べている。

「誰もがデータの価値を認めていますが、多くの企業はデータ管理、分析およびデータを使った意思決定の方法を考え直すことが求められています。データを利用するためのツールや研修を従業員に提供し、データについて常に学び活用し続ける企業は、生産性が高く、競争力も優れています。」

データドリブン型経済の下で従業員が能力を発揮するために
経営陣は、従業員が自信を持ってデータに基づいた意思決定ができるよう、また、十分な研修機会を提供して活躍できるようサポートする必要がある。

自らにデータリテラシーがあると考えている従業員の半数以上は、適切な意思決定を行う権限が与えられ、また自分の意思決定が信頼されていると感じている。

さらに、日本人従業員の32%(グローバル37%)は、データリテラシーの研修を受ければ自らの生産性が向上すると考えている。

Qlikのデータリテラシー・グローバルヘッドでありデータリテラシープロジェクト諮問委員会の委員長であるジョーダン・モロー(Jordan Morrow)氏は次のように述べている。

「ビジネスの成功にデータが不可欠であるとその価値を認識しているにもかかわらず、データから価値を導き出すことができるチームの構築に苦戦している企業がほとんどです。こうした企業は、各従業員が自己完結的にデータを活用する能力を育てずに、データへのセルフサービス的なアクセス権を与えることを優先してきました。しかし、十分なトレーニングや適切なツールを提供せずに従業員がデータを活用することを期待するのは、釣り竿や餌、網を持たせずに釣りに行かせるようなもので、釣り場に連れて行くことはできても、魚を採れるよう支援していることにはなりません。」

株式会社セガゲームス、エンターテインメントコンテンツ事業部第5事業部戦略支援部の萬和貴氏は次のように述べている。

「企業内のデータリテラシーを向上するための重要な基盤の一つとして、適切な管理の下で、従業員が必要なデータへアクセスできるようにすることが挙げられます。セガゲームスでは、モバイル向けゲームの運営において、データへのアクセスとアナリティクスを各運営担当者が自ら行えるようになったおかげで、ゲームプレーヤーのトレンドを迅速に分析し、データから得られた洞察を関係部署と共有できるようになりました。また、われわれのチームの働き方もよりスマートになりました。今では、あらかじめ設定された分析指標だけでなくさまざまな観点からデータを深掘りでき、モバイルゲームの改良を短いサイクルで行うことが可能です。データを使いこなせるという自信をもつ社員が増えるにつれ、何を改善すべきかという、より本質的な議論に注力できるようになりました。」

Qlikとアクセンチュアは「データリテラシーによる人への影響」レポートで、データを活用する目的を明確にすること、従業員全体で改革を進めていく文化を創ることなど、データを利活用する人材を育成する際に企業が実践すべき5つのステップを紹介している。

Qlikとアクセンチュアでは、誰もが自信をもってデータを活用する「データリテラシー社会」を作るために活発に議論し、必要なツールの開発に取り組むグローバルコミュニティであるデータリテラシープロジェクトの創設メンバーだ。

「データリテラシーによる人への影響」レポートの詳細は https://thedataliteracyproject.org/humanimpact 、データリテラシープロジェクトに関する詳細は https://thedataliteracyproject.org をご覧いただきたい(英語のみ)。

<調査について>
「データリテラシーによる人への影響」レポートは、2019年9月に日本、英国、米国、ドイツ、フランス、シンガポール、スウェーデン、オーストラリアおよびインドにおける従業員50名以上の企業の正社員9,000人を対象に実施した調査に基づいている。日本での調査対象者数は1,000名だった。

データに関連する業務の先延ばしと病気休暇による1年あたりの平均損失時間を計算するため、調査チームは、先延ばしにより損失した1週間あたりの平均時間(日本における平均就労週数である35.9週を用いて年あたり時間に換算)と、データに関連する病気休暇により損失した1年あたりの平均日数を計算。従業員1人あたりの平均損失時間は、日本では1年あたり34時間55分だった。

出典元:アクセンチュア株式会社

構成/こじへい

@DIME

最終更新:4/9(木) 7:02
@DIME

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