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子供に「勉強しろ」と言う資格、ありますか?/ひろゆき

4/9(木) 15:55配信

週刊SPA!

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

子供の幸せを願うなら「勉強しろ」の前にやることがある

 知能の遺伝があることは割と知られるようになっていますが、子供の将来の収入もかなりの割合で親からの遺伝というか、親から提供された環境に依存するという研究結果が出ていたりします。

 アメリカの大学が30年間かけて行った「生活環境によって子供が将来的に恵まれた生活を送れるか」という研究によれば、貧困層に生まれた子供で小学1年生から20代後半になるまで調査したところ大学の学位を得たのは800人中28人でした。そして、裕福な家庭であれば塾や習い事など教育に使えるお金も多くなりますし、肉体労働よりも頭脳労働のほうが収入が高くなる傾向はあるので、「知能が高い=収入が高い」ということになり、「収入が低い家庭で育った子ほど学歴が低くて、大人になっても稼ぐ額が低い」ということになりますよね。

 というような統計が出ていたりすると、子供の将来に不安を感じる親もいるかと思いますし、「低収入の家庭なのだが、なんとか子供に稼げるようになってほしい」と考える人もいると思います。

 もちろん統計なので、100%その通りになるわけではなく“そういう傾向がある”というだけです。学校保健統計調査では高校生までの日本人男性の約93%が身長180㎝以下ですけど190㎝の人もいたりと、統計と個体差は別の話なので統計通りの結果にならない人もいたりしますよね。

 ただ、そんなことを考える前に低収入な家庭になっている自分の責任や行動を放っておいて、子供だけなんとかしようと考えるのは間違っている気がしています。

 自分が勉強をしてこなかったのに、子供に「勉強しろ!」と闇雲に強制しても説得力はないです。親が学習することの面白さをわからず勉強をしなかったのだから、子供に学習することの面白さを教えることも難しいですし、そういう状況で勉強をさせても「学習するのはツラくて嫌なことだ」と子供が認識してしまうと思うのですね。反面教師的に不憫な思いをさせて「そういう経験を将来したくない」と反骨心を持たせようとしても、統計的にはひもじい思いをした家庭の子の多くは低収入になるので意味がありません。

 なので、子供の将来の収入を考えるほどお金に執着するなら、まずは自分で稼ぐ努力をしない親の問題をなんとかしたほうがいいと思うのですね。親の収入が増えれば、統計的には子供の収入も増えるわけですし。

 加えて収入が増えたからといって幸せになるとは限りません。ハーバード大学が75年以上かけて研究しているテーマに「幸せな人生を送る」というものがあるのですが、その研究によれば、「身近にいる人たちとの人間関係の質」が幸せかどうかに影響することが統計的に導き出されています。年収や友人やフォロワーが何人いるか、どれだけの権力を持っているかは関係なくて、頼れる人がそばにいるなど、質の良い人間関係を持っているほうが幸せとのことでした。

 子供に幸せになってほしいと思うのであれば、お金を稼ぐよりも、良い人間関係のほうが大事ということなのですね。そう考えると、お金を稼ぐのが下手なのであれば、下手なりに家族で楽しく暮らしたり、子供が将来幸せを感じるための方法を考えてみるのがいいような気がしているのですよ。

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)’76年、神奈川県生まれ。フランス在住、たまに日本。2ちゃんねる・ニコニコの元管理人で、英語圏最大の掲示板サイト『4chan』現管理人。SPA!誌面にて11年間にわたり「ネット炎上観察記」を連載。近著に『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)など

日刊SPA!

最終更新:4/9(木) 15:55
週刊SPA!

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