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コロナ重症患者が8割改善…!?中国発「対新型漢方薬」の真偽

4/16(木) 11:02配信

FRIDAY

咳や熱の症状が消えた…西洋の薬よりウイルスに効くと言われる中国古来の漢方薬がある

全世界で75万人もの感染者と3万6000人超の死者を出している新型コロナウイルス。最初の感染者を出した中国から衝撃のニュースが届いた。

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3月23日、中国中央指導チームのメンバーで国家中医薬管理局党組の書記を務める余艶紅(ヨエンコウ)氏が会見を開き、

「全国の感染者のうち7万4187人が中国医薬(漢方薬)を使用。うち、(1月23日に封鎖された武漢市のある)湖北省では6万1449人が使用したが、総有効率は90%以上にのぼった」

と明らかにしたのだ。

漢方薬を処方して、しかも9割が改善――にわかには信じられないが、中国の医薬品事情に詳しい『健康ビジネスインフォ』代表取締役で薬学博士の鄭権(テイケン)氏によれば、「中国では西洋薬よりも漢方薬が優先されるのが常識」だという。

「急病の場合は西洋薬が投与されますが、風邪などの一般的な病気や、慢性的な病気には漢方薬が処方されます。そして、重病の際はどちらも併用するのが基本。新型コロナウイルスによる肺炎の治療も、当初は西洋薬がメイン。漢方薬は必要に応じて使用される程度でした。治療実績が増えるにつれ、漢方薬の使用が推奨されるようになったのです」

中国・湖北省の『中西医結合(チュウセイイケツゴウ)医院』が退院した患者52例を分析したところ、西洋薬と漢方薬が併用された34例は、西洋薬のみ処方された18例に比べて症状が顕著に軽減。退院までにかかる時間も短縮されたという。

1月29日から別の病院で漢方薬治療を始めた専門家チームは2月6日、漢方薬『清肺排毒湯(セイハイハイドクトウ)』の使用を全国に通達している。また、98名の患者に『清肺排毒湯』を投与したところ、投与開始3日後に患者の3割から咳(せき)、8割強から発熱の症状が消え、6日後には79人の患者に症状の改善が見られた、という報告もあった。

2月18日には日本の厚生労働省にあたる国家衛生健康委員会が「新型コロナウイルス感染による肺炎の診療案(試行第6版)」を策定。政府として『清肺排毒湯』の使用を推奨し、日本の厚労省と国立感染症研究所にも報告している。

麻黄(マオウ)や炙甘草(シャカンゾウ)など21種の成分からなる『清肺排毒湯』は、いまから約1800年前の漢の時代の医師、張仲景(チョウチュウケイ)が著した『傷寒雑病論(ショウウカンザツビョウロン)』に記載されている漢方薬だ。現在、日本で買える漢方薬だと『胃苓湯(イレイトウ)』、『麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)』、そして『小柴胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセツコウ)』を併用したのと近い効果が得られるとされている。

「『胃苓湯』は胃腸の機能を整えます。『麻杏甘石湯』は激しい咳や痰(たん)を抑え、『小柴胡湯加桔梗石膏』は喉(のど)の腫(は)れや痛みを和(やわ)らげ、免疫力を高め、ともに抗炎症作用があります」(漢方に詳しい『山口病院』副院長の奥平智之医師)

特筆すべきは中国の大手紙『人民日報』ウェブ版が『清肺排毒湯』の服用によって「重症患者ですら8割近くが改善した」と報じていることだろう。

「現在、中国では新型コロナウイルス肺炎の治療に漢方薬が優先的に使われています。漢方薬によって重症化する患者が減少。腎臓の損傷などの副作用も報告されていない。新型コロナウイルス肺炎の治療に非常に大きな役割を果たしている」(在日本中国大使館担当者)

呼吸不全など、重篤化しているケースに共通しているのが免疫力の低下、そして免疫の暴走(サイトカインストーム)だ。体内の炎症を抑え、免疫を整える『清肺排毒湯』が新型コロナウイルス治療に効果を上げている理由は、まさにこのあたりにあるのではないか。

「新型コロナウイルスによる肺炎の治療法がまだ確立されていない現在、治療は総力戦です。『清肺排毒湯』はあくまで補助薬ですが、自己治癒力を高めることにより症状の緩和が期待できると思います」(前出・奥平医師)

人種、食生活などの要素によって、薬の効果が異なるケースもある。自己判断による服用は危険だ。

だが――ワクチンも特効薬も研究段階にあり、人工呼吸器の供給台数に不安がある現状で、漢方薬による治療を一笑に付すことはできないのではないか。

『FRIDAY』2020年4月17日号より

取材・文/吉澤恵理(薬剤師・医療ジャーナリスト)

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最終更新:4/16(木) 11:18
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