ここから本文です

八重樫幸雄が獲得を喜んだ右腕。 ハズレ1位でも「藤浪よりよかった」

5/7(木) 17:20配信

webスポルティーバ

「オープン球話」連載第20回 第19回はこちら>>

【大谷翔平に揺れた2012年ドラフトの思い出】

【写真】ヤクルト伊藤智仁「喜びも希望もなかった」。 圧巻デビュー戦でのまさかの真実

――引き続き、八重樫さんのスカウト時代の思い出を伺っていきます。今回は、スカイツリー開業で沸いた2012(平成24)年です。この年は日本ハムが花巻東高校の大谷翔平を単独指名しています。岩手県の花巻東高校出身ということは八重樫さんの担当ですね。高校時代の大谷をどのように評価していましたか?

八重樫 「投手として」の能力はもちろんダントツでしたよ。でも、高校時代はそんなに多く投げていないんです。高校3年夏に強豪校相手に投げていたけど、僕が見る時はほとんど外野手として出場していて、「打者として」見る機会が多かったですね。もちろん、打者としても一流でした。以前話した菊池雄星もそうだったけど、菊池も大谷も、誰が見ても一級品なので、スカウトとしての力量が問われるということはない選手でしたよ。

――スカウトの目から見て、八重樫さんは「投手として」「打者として」、どちらが向いていたと思いますか? あるいは「二刀流」を進めるべきと考えていましたか?

八重樫 当時、花巻東の佐々木(洋)監督にも同じことを聞かれましたね。僕は自分が野手だったし、打撃コーチを経験していたこともあるので、その時は「長く選手生活を続けるのなら野手としてバッターに専念した方がいいと思う」とは言いました。あの天性の長打力、ミート力、パンチ力を見たら誰だってそう考えますよ。それにしても、佐々木監督はいつも、質問してくるタイプなんだよね(笑)。

――結果的に日本ハムが単独1位指名しますが、早くからメジャー志望を表明していた大谷に関して、ヤクルトは当初から指名リストから外していたんですか?

八重樫 その3年前に、同じく花巻東高校だった菊池雄星の時に各球団30分ずつ交渉する時間をもらったっていう話はしたよね。でも、それが後に高野連で注意を受けたみたいで、大谷の時には事前に交渉する時間はもらえなかったんです。だから、僕らは学校を通じて、「大谷はメジャーを目指す」という説明を受けていたので、指名は考えていなかった。監督自身は本人と家族の意思に任せるスタンスでしたし。それにしても、日本ハムが強硬指名して、入団にこぎつけるとは思わなかったな。

――この年は巨人が菅野智之を単独1位指名しています。

八重樫 菅野に関しても候補には入っていなかったです。この時のヤクルトとしては「とにかく即戦力投手を」ということで、もちろん競合覚悟の上で大阪桐蔭高校の藤浪晋太郎を1位指名しました。藤浪は僕の担当ではなかったけど、甲子園では見ていますから。当時の高校生投手の中ではダントツでしたし、高校生ながら即戦力としての期待を持っていたしね。

――この年は、亜細亜大学の東浜巨がソフトバンクから1位指名を受けています。ヤクルトは東浜を狙っていなかったんですか?

八重樫 もちろん、いい素材だとは思っていたけど、大学4年の時は故障していたのか球速もないし、ちょっと調子は落ちていたということもあって、迷いなく藤浪指名を決めたようだよね。個人的に、藤浪については「球は速いけど、コントロールに難があるな。修正は大変そうだな」という思いはあったけど。

1/3ページ

最終更新:5/7(木) 17:33
webスポルティーバ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事