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宅配の急増と感染リスクで物流はギリギリ

5/10(日) 5:20配信

東洋経済オンライン

 新型コロナウイルス感染拡大防止のために発出された緊急事態宣言から約1カ月。ただでさえドライバー不足で厳しかった物流業界では、宅配需要の急増に追いつかず配送遅延や一部サービスの停止が起きた。

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 日本郵便ではEC(ネット通販)の荷物量が増加したため、4月15日から当日の再配達受付と荷物の集配受付を停止。「現時点で再開の見通しは立っていない。感染の状況等を踏まえながら再開時期を検討する」(日本郵便)としている。

 「アマゾンでの商品購入やメルカリなどフリーマーケットアプリでの売買が外出自粛で増え、荷物量が多くなった。体感だが荷物量は例年の2倍以上」。都内の郵便局に勤める局員は現場の実情をそう明かす。「政府が配布する布マスクの配送もしなければならないが、余剰人員がおらず現場は逼迫している」と今後を危惧する声も聞かれた。

 外出自粛による巣ごもり需要の急増に苦慮しているのはアマゾンも同じ。4月17日から、生活必需品や衛生用品を優先して物流施設に入荷し、それ以外の商品の納品を制限している。

■人手の確保はいっそう厳しい

 生活協同組合(生協)でも宅配需要が2020年2月以降増え続けており、一部の生協はサービス維持のために受注を制限している。「人手不足もあってドライバー1人当たりの配送量が大きく増えている。ギリギリの状況だがサービス維持を第一に何とか耐えている」(生協の広報担当者)。

 生協からの物流受託が売上高の7割を占めるSBSゼンツウでは、2月以降の荷物量が前年同期比で2割強増えている。親会社のSBSホールディングスは「冷凍・冷蔵品を含む食品が急激に増加した。派遣スタッフの活用や作業員の労働時間を延ばすことで何とか対処している」という。

 そして、会社としての課題は「いかに人材をつなぎ止めるか」に移っている。現場作業員の業務負荷を軽減するために現場では冷凍品の袋詰め作業を行わないなど、顧客の了承を得たうえで作業工程を見直しているが、厳しさは増す。

 荷物量の急増と人手の確保で苦心する現場をさらに脅かしているのが新型コロナウイルスの感染リスクだ。

 2020年3月以降、従業員の感染が確認された物流会社は、セールスドライバー4人が感染した宅配大手のヤマト運輸をはじめ20社を超える。中でも40万人の従業員を抱える日本郵便では、3月から4月末にかけて14都道府県21カ所の郵便局で35人の感染者が出た。

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最終更新:5/10(日) 5:20
東洋経済オンライン

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