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日本が大手半導体メーカーの米インテル・台TSMCを国内誘致へ【スクープ】

5/11(月) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 経済産業省が世界の大手半導体メーカーの日本誘致を検討していることがダイヤモンド編集部の調べで分かった。コロナショックを受けて、欧米では中国を想定した外資による自国企業の買収防衛策の行使が相次いでいる。日本でも国内半導体部材メーカーの日本回帰を促す目的で、外資誘致プロジェクトを発足させることにしたのだ。水面下で動き始めた極秘計画の全貌を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 新井美江子、浅島亮子)

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● 米中対立と買収リスクを解消する 極秘プロジェクトの全貌

  新型コロナウイルスの世界的なまん延を受けて、主要国による製造業の国内回帰、基幹技術の囲い込みが活発化している。経済産業省は世界有数の半導体メーカーの生産・開発拠点を日本へ誘致するプロジェクトを進めている。狙いを定めているのが、米インテルや世界最大の半導体ファウンドリーである台湾のセミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)などだ。

 外資を誘致するプロジェクトではあるが、その真の目的は、日本の半導体部材メーカーや半導体製造装置メーカーの「国内回帰」を促すことにある。海外の強い半導体メーカーに最先端工場を日本に造ってもらうことで、それらに部材・装置を納入する国内メーカーの供給先を日本に確保しようという構想なのだ。

 昨秋より、経産省は半導体のサプライチェーンの洗い出しにかかっている。半導体の製造工程に関わる日本企業のうち、他国の企業に真似できないコア技術を持つ企業はどこなのか――。国内に囲い込むべき「本当に重要な技術」を選別しているのだ。

 ある経産省幹部は「もはや日本に強い半導体メーカーはなくなってしまった。このままでは、国際競争力のある日本の部材・装置メーカーが海外へ出ていく流れは止められない。国内に外資の強い最先端工場を造る他に、海外流出を止める手立てはない」と言い切る。国内の技術空洞化に対する経産省の危機感は強い。

 実は、すでに経産省は19年度予算にこのプロジェクトの実現をにらんだ項目を滑り込ませている。ポスト5G(第5世代移動通信システム)情報通信システム基盤強化開発事業として計上した予算1100億円には、「先端半導体製造技術の開発」という項目が含まれている。パイロットラインの構築等を通じて、国内にない先端性を持つロジック半導体の製造技術を開発するための予算とされており、「外資半導体メーカーを誘致できた時に使えるお金だ」(別の経産省幹部)としている。

● 「部材・装置」が国内製造業の屋台骨 コロナで高まる買収リスク

 複数の経産省幹部によれば、プロジェクト発足の直接的なきっかけとなったのは日韓問題だった。日本が対韓輸出規制の対象として選んだ「特定3品目」には、半導体の製造工程に欠かせないレジストやフッ化水素が含まれており、日本の競争力のある素材メーカーの供給先がサムスングループなど韓国メーカーに依存している実態が明らかになったからだ。

 そして近年、韓国と並行し供給先としての存在感を示しているのが中国だ。

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最終更新:5/11(月) 9:35
ダイヤモンド・オンライン

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