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岩波明/「コロナ鬱」にならない外出自粛生活術〈家で過ごす時間の増えた私たちが懸念すべきは“鬱”である〉――文藝春秋特選記事【全文公開】

5/23(土) 6:00配信 有料

文春オンライン

「今日会ったあの人は、もしかしたらコロナに感染していたかもしれない」「万が一、自分も感染していたらどうしよう……」

 世界中で死者が日に日に増え、日本でも感染爆発、医療崩壊といった不穏なニュースが流れています。これはわれわれが今まで経験したことのない事態です。目に見えないからこそ、コロナウイルスへの不安や恐怖は大きなものになりがちです。

 感染することに対して不安を持つこと、また、コロナウイルスによって大きく変わった環境にストレスを感じることは自然な感情です。最近では“コロナ鬱”という言葉も耳にするようになりました。

「自分が感染して死んでしまうのではないか」と、四六時中そのことで頭がいっぱいになってしまったり、経済的なダメージや人と会えない孤立感から強い憂鬱感を覚える人もいると思います。“コロナ鬱”というのは、本格的な鬱病まではいかないにしても、暗く重苦しい気持ちになる、いわゆる“鬱状態”に陥ることだと言えそうです。

 鬱状態は鬱病の前段階です。何事に対してもやる気が出ず、食欲不振や睡眠障害を伴うこともあります。深夜に目が覚めてしまう、いつもどこか体調がよくないことなども鬱状態のサインだと考えられています。

 鬱状態自体は一過性であることが多く、気持ちが落ち込むからといってすぐに鬱病と診断されるわけではありません。こうした状態が長く続いてはじめて、鬱病と診断されるのです。

 憂鬱感というのは人間の自然な感情であり、日常生活の中で、そのような感情を抱くことは珍しくありません。一般的には、仕事熱心で真面目、適度に手を抜くことができないタイプ、一見、温和で朗らかだけど落ち込んだり高揚したり気分の変動があるタイプの人が鬱病になりやすいとされています。

 ただ、鬱病は内面的な原因だけではなく、環境面、外的な要因によっても発症します。災害や今回のコロナのような疫病など、自分でコントロールできないことが原因となることもあるのです。コロナに伴う大きな変化によってダメージを受けて鬱状態になり、それが長期化することで鬱病になってしまうということも十分に考えられます。 本文:5,207文字 写真:3枚 岩波明氏(昭和大学医学部精神医学講座教授) 緊急事態宣言で街は一変 リモートワークを推奨されるが……

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岩波 明/文藝春秋 2020年6月号

最終更新:5/23(土) 6:00
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