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中国・武漢に第2波到来?桁外れの「徹底的」対策へ

5/24(日) 8:00配信

JBpress

 (姫田 小夏:ジャーナリスト)

 ロックダウン解除後の中国で、新型コロナウイルスの感染者が再び増え始めた。

 4月8日に武漢市の都市封鎖が解除され、厳重なロックダウンに一区切りがついたものの、黒竜江省や吉林省など各地で新規感染者が続々と確認され、感染の第2波が懸念されている。

 入院していた感染者が全員退院した武漢市も、再び臨戦態勢に入った。都市封鎖解除から1カ月以上が過ぎた今、武漢はどうなっているのか。

■ ロックダウン解除後に団地でクラスター

 5月9日、武漢市東西湖区にある集合住宅地の三民小区で、89歳の男性が新型コロナウイルスの検査を行ったところ陽性であることが判明した。翌10日には、三民小区から相次いで5人の感染者が確認された。

 男性の妻(81歳)も感染していることから、夫婦は、同じ小区内に住む「武漢市外から来た無症状感染者」と接触し感染した疑いが高いとみられている。約5000人が住むこの集合住宅地は築年数も古く、その半数が外地から出稼ぎにきた労働者によって占められているという。

 武漢市衛生健康委員会によると、5月18日の新たな感染者は1人で、9、10日の感染者と併せて7人(累計感染者数は5万0340人)となった。また、無症状の感染者も増えており、同日の0~24時の間に新たに16人が確認された。武漢市では18日現在で277人が経過観察を受けている。

 同日、市内の「発熱外来」を訪れたのは354人で、前日より29人も増加した。発熱したからといって新型コロナを発症しているわけではないが、第2波の到来を予感させる不気味な兆候である。

■ 無謀? 「10日間で1100万人を検査」

 そうした状況を受けて、武漢市は再びコロナ対策を打ち出した。その内容が凄まじい。なんと「10日間で武漢市全員のPCR検査を実施する」というのだ。

 武漢市衛生健康委員会によれば、4月29日時点で1100万人の武漢市民のうち103万人が検査済みである。その10倍の人数の検査を、たった10日でこなすのだという。「10日間で1000万人以上の市民を検査する国が一体どこにあるのか」──と中国の感染症専門家も呆れるほどの徹底ぶりである。

 この「10日間1000万人検査プロジェクト」は5月9日に当局の通達を受け、集合住宅地の小区などを単位として検査が進められているという。だが、目標の達成にはほど遠い状況のようだ。武漢市衛生健康委員会は1日当たりの検査数を公表しているが、5月18日時点で延べ46万7847人しか検査を受けていない。人口1100万人の武漢市には63の検査機関があり、368カ所で検査を行うことができる。一部の報道によれば、1日の検査処理能力を10万件に引き上げたというが、それでも全市民を検査するには3カ月以上を要する計算になる。

 とはいえ、どう見ても不可能な目標であっても、強引に「達成」してしまうのが中国という国である。中国では最初の感染確認から76日間で新型コロナが収束したことになっているが、湖北省を含めた地方政府のリーダーたちは、3月末までに封じ込められなければ首が飛びかねないという状況だった。現に三民小区を管理する街道弁事所(末端の行政区)のトップは、今回、感染者を出したことを理由に更迭されている。「10日間1000万人検査プロジェクト」も、数字のつじつま合わせが行われる可能性は大いにあり得る。

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最終更新:5/24(日) 8:00
JBpress

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