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シリア内戦2年、いったい何がどうなっているの?

2013/5/27(月) 18:24配信

THE PAGE

 シリアが内戦状態に陥ってから約2年。これまでに8万人以上が死亡、国外に逃れた難民は130万人を超え、今も戦闘が続いています。一方で、アメリカとロシアは内戦の当事者を招いて解決策を話し合うことで合意しました。何がどうなっているのでしょうか。経緯をまとめました。

【写真】シリアに溢れる破壊と殺戮

「アラブの春」がきっかけ

 きっかけは「アラブの春」です。2011年1~2月、チュニジアとエジプトで民主化運動によって独裁政権が崩壊した後、同年3月になってシリアでも反体制デモが起きました。これをアサド政権が弾圧したため、人々が反発してシリア全土にデモが広がり、やがて反体制派の一部が政権軍と戦闘を始めました。

 アサド大統領は00年に父親から権力を世襲しました。一党独裁です。国民の7割はイスラム教スンニ派ですが、アサド氏はわずか1割のアラウィ派に属しており、政府や軍の要職もアラウィ派が独占しています。つまり少数派が国を支配してきましたが、政府と軍の結束が固いこともあり、激しい内戦でも政権は持ちこたえてきました。

国連は軍事介入できず

 内戦が泥沼化し、住民の虐殺もたびたび起きるなか、国連はシリアへの軍事介入に踏み切れていません。安全保障理事会で決議案が出るたびに常任理事国のロシアと中国が拒否権を行使するからです。ロシアはシリアに武器を輸出するなど関係が深く、中国は自国内に少数民族問題を抱えているため内政干渉を嫌がるのです。

 軍事大国のアメリカが介入すべきだという意見もありますが、オバマ政権は消極的です。背景には「外国への軍事介入はもうたくさん」という米国民の世論があります。米軍は11年にイラクから撤退し、アフガニスタンからも撤退しようとしています。また、シリアに軍事介入しても状況が今より良くなるとは限らないという見方もあります。

猛毒ガスのサリンを使用か

 今年4月、シリア国内で猛毒ガスのサリンが使用されたという疑惑が浮上しました。政権軍と反体制派のどちらが使ったかは確定していませんが、オバマ米大統領は化学兵器の使用を「超えてはいけない一線」としており、対応が注目されています。

 内戦は周辺諸国に飛び火しています。シリア側からトルコやイスラエルなどに砲弾が着弾し、報復攻撃を招いたこともあります。隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは5月、シリア国内でアサド政権側に付いて反体制派と戦っていることを認めました。このほか、イランもアサド政権を支援しているとされています。

一枚岩ではない反体制派

 アメリカは反体制派に食料などの支援をしていますが、反体制派といっても一枚岩ではありません。反体制派を代表する「シリア国民連合」は3月、在米生活の長い元ビジネスマンを暫定首相に選びましたが、武装組織には支持されていないようです。また、武装組織の一部はアルカイダ系の過激派と協力しているといわれています。

 アメリカとロシアは5月7日、内戦終結を目指して、アサド政権と反体制派が一堂に会する国際会議を開くことで合意しました。アサド政権を支援するロシアと、反体制派を支援するアメリカが歩み寄った形です。会議は6月上旬にも開催される予定ですが、前途は多難とみられています。

最終更新:2016/1/31(日) 3:12
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