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日本のインフラが崩壊する

2013/5/28(火) 12:00配信

THE PAGE

 安倍首相は5月17日、企業の設備投資を年間70兆円台に回復させることを目的とした成長戦略の第2弾を発表しました。かつてのソニーや現在のサムスンなどを例にあげ、経済成長には活発な設備投資が不可欠と指摘、国内の設備投資を促進するため、税制、予算、規制改革といったあらゆる施策を総動員すると強調しました。

日本のインフラがボロボロになる

 実は日本の設備投資はこのところ急激に減少しています。リーマンショック以前は、民間企業は年間70兆円ほどの設備投資を行っていましたが、リーマンショック以降はその水準が60兆円まで下落しており、復活の兆しは見えていません。また、政府の公共投資や住宅投資なども含めた日本全体のインフラ投資は、2009年以降、新規の投資額と既存インフラの減耗額が逆転し、残高の純減が始まっています。日本のインフラ総残高は2008年には1630兆円ありましたが、2011年末の段階では50兆円も減少してしまいました。このままの状態が続くと日本のインフラは、近い将来ボロボロになってしまう可能性があります(図1)。

 本来であれば、発展途上国から成熟国に移行する過程で、新規の公共インフラ投資を抑制し、既存施設の維持に舵を切る必要がありました。しかし日本は目先の利益を最優先し、無計画に投資を継続した結果、利用者が少なく、維持もままならない道路や橋を大量に建設しました。高速道路3社は老朽化した高速道路の維持や改修に今後10兆円の費用が必要と算出していますが、それを負担するのは我々国民です。

製造業の設備投資が伸びていないのはなぜ?

 無計画なのは政府だけではありません。日本の製造業は従来のビジネスモデルから脱皮し、高付加価値の製品やサービスを中心とした新しい事業に転換すべきでした。しかし、多くの企業が現状維持にこだわったため、新規の設備投資が伸びない状況が続いてきました。設備投資が伸びなければGDPは成長しません。デフレが15年間も続いた原因はいろいろありますが、リスクを取らず現状維持に逃げ込む企業の消極的な経営姿勢が大きく影響しているのは間違いありません。

 図2はGDPに占めるインフラ投資(総固定資本形成)と日経平均の関係です。日本が途上国であった1950年から1970年までは、GDPに占めるインフラ投資の割合の増加と日経平均の上昇には明確な相関が見られました。このトレンドが逆転したのがバブル経済時代です。バブル経済はいろいろと問題もありましたが、当時の前川レポートが示したように、内需中心の成熟国家に舵を切るためのよいきっかけになるはずでした。

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最終更新:2015/10/17(土) 4:41
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