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円安と株高が重大局面――円は購買力平価を乗り越えられるか?

2013/6/12(水) 10:25配信

THE PAGE

 アベノミクスを好感し、これまで順調に推移してきた円安と株高がヤマ場を迎えている。

 5月23日、日経平均株価は一時1万6000円目前まで迫ったものの、その後突如急落。6月に入ると一時は1万2000円台まで下落した。為替も株価と同じ動きを見せており、103円台まで進んだドルは一気に97円台まで下落している。

 短期的に大きな下落幅となったのは、これまで買われすぎていた反動というテクニカル的な意味合いが強いものの、もう少し長期的なスパンで見た場合、日経平均の先行きについては解釈が大きく分かれている。

 ネガティブに見る投資家は、6月5日に発表された成長戦略の第3弾は目新しさに欠ける内容であったことから、アベノミクスの将来性を疑問視し始めている。日銀の量的緩和策が思ったほど物価に対して効果を上げていないという事実もこの見方を後押ししている。

 物価がなかなか上昇してこないことから、現実の為替レートとの相関性が高いといわれる購買力平価による理論為替レートが思いのほか円安に振れてこないのである。このままでは円安にブレーキがかかってしまい、株価上昇のチャンスを逸してしまうかもしれない。

米国の出口戦略の後退でドル安圧力が上昇

 ここ半年の株高を支えてきた要因のひとつが円安であることは間違いない。露骨な為替誘導政策は国際問題となるため、関係者は決して口にしないが、アベノミクスと日銀による量的緩和策の本質が円安にあることは間違いない。

 日経平均は昨年末以降、順調に上昇してきたが、為替もまったく同じような動きを見せている。今後も日経平均が継続的に上昇していくためには、円安トレンドが持続する必要がある(図1)。

 だが市場関係者の多くが、長期的にはともかく短期的には、円安が一段落したとの見方を強めている。理由は2つある。ひとつは米FRB(連邦準備制度理事会)の出口戦略が少し後退していることである。

 米国政府による強制歳出削減の影響で米国の第2四半期GDPは伸びが鈍化しており、出口戦略を急ぐことについては慎重な意見が強くなってきている。早ければ9月ともいわれていた量的緩和の縮小は年末あるいは年明けになるとの見方が大半だ。出口戦略が後退すればドル高要因が消えることになるため、円にとっては買い圧力が強まることになる。

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最終更新:2015/11/27(金) 4:55
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