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PFIは成長戦略としてふさわしいのか?

2013/6/14(金) 10:15配信

THE PAGE

 成長戦略の重要項目の一つとしてPFI(民間資金を活用したインフラ整備)に注目が集まっている。

 産業競争力会議では、空港の施設利用権の民間売却や民間資金を利用した羽田・成田間の地下鉄建設、首都高の空中権売却などが具体的に議論された。安倍政権はPFIについて10年間の行動計画をまとめ、より実現性の高いものにしていく方針だ。

 公共事業というこれまで官の視点でのみ投資が行われてた分野に民間の資金や知見が入ることは悪いことではない。

 だが本来、官が担うべき長期的な投資プロジェクトに民間の資金を入れることが、成長戦略の中核といえるのかどうか、議論が分かれるところでもある。
 
 またPFI資金の出し手として、生命保険会社や年金などが想定されているが、これらに対する過度な期待は健全な運用を妨げる原因にもなる。PFIは決して魔法の杖ではない。

PFIが急浮上した背景にあるのは公共事業の継続

 PFIとは、プライベート・ファイナンス・イニシアティブの略で、公共施設の建設や維持管理、運営などについて、民間の資金や経営能力を活用する手法のことを指す。

 PFI法自体は1999年に施行されたものであり特に目新しい概念ではない。だがここにきてPFIに対する注目が高まっている背景には、日本の財政が限界に来ており、これ以上国債を発行することが難しくなってきているという現実がある。

 一般に公共インフラは建設にかかったコストの2~3割程度を維持管理に支出すべきといわれている。だが、日本はこれまで無計画に公共インフラの建設を続けてきた結果、維持管理を行うだけでも莫大なコストが必要な状態となっている。国債の発行が限界に来た今、目をつけたのが運用難に直面している民間の資金というわけである。

年金と生保の資金が想定されている

 ひとくちにPFIといってもその規模や内容は様々である。学校や図書館、刑務所など、それほど多くの資金を必要とせず、民間のノウハウが生かせる分野については、効果的なPFIの実施が可能かもしれない。

 だが政府の成長戦略では、このようなケースにとどまらず、空港運営や地下鉄など大型公共事業へのPFI導入を強く意識しており、この点は非常に気になるところだ。なぜなら、これら巨大プロジェクトの資金の出し手として想定されているのが生命保険会社や公的年金だからである。

 生保や公的年金は、現在、その資金のほとんどが国債で運用されている。生保や年金におけるポートフォリオの中で国債(社債や地方債含む)の占める割合は70%近くに達する。

 日本ではこの先、運用環境の変化が予想されることから、国債に偏ったポートフォリオを見直し、株式などリスク資産の割合を高めることが求められている。国債に代わる投資先のひとつとして考えられているのが、PFIに代表されるような公共インフラ投資である。

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最終更新:2016/2/22(月) 4:36
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