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投資減税が有効な成長戦略にならない理由

2013/6/18(火) 10:13配信

THE PAGE

 政府は6月12日、産業競争力会議において成長戦略の最終案を取りまとめた。成長戦略の具体的な内容については、安倍首相が産業競争力会議の進捗に合わせて段階的に発表してきており、最終案もそれに沿った内容となっている。

 ただ12日の会合では、投資減税に関する項目が付け加えられ、これを成長戦略の大きな柱とする形に内容が修正された。段階的に発表してきた成長戦略が市場からまったく評価されず、株価の下落に歯止めがかからないことを受けた措置と考えられる。

 これまで消極的といわれていた減税の分野に踏み込むことで、市場からの評価を取り戻したい意向だが、減税がもたらす効果については疑問視する声が上がっている。

 また減税について言及してしまったことで、かえって成長戦略の本丸ともいえる規制緩和に消極的であることが浮き彫りになってしまったようにも見える。投資減税を柱とした成長戦略は市場の評価を取り戻すことができるのだろうか?

法人税の減税で設備投資を活性化?

 減税の柱となるのは、企業の設備投資を促すための措置である。成長戦略の最終案では「生産設備や事業の新陳代謝を促す枠組みを構築し、思い切った投資減税を行うことで企業を支援していく」との記述が盛り込まれた。また「実際に物事を動かすのは民間であり、企業経営者には、世界と戦う覚悟を持ってもらわなければならない」という奇妙な一文も付け加えられている。

 これまで財界は減税を強く政府に求めてきたが、財政再建を優先したい政府がこれを拒んできたという経緯がある。今回、財界が要求する減税を盛り込む代わりに、企業側も成果を出す覚悟をして欲しいとのニュアンスが滲んでいる。

 減税を成長戦略の柱とするのは、日本における法人税負担が国際的に見て重く、これが企業の活力を削いでいるという仮説が前提となっている。減税措置を講じれば設備投資などが活発になり、成長に寄与するというわけである。

 日本の名目上の法人税率は50%近くあるが、各種の控除があるため実際の税率はもう少し低い。法人税の負担が重いのかどうかは、実効税率で比較する必要がある。

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最終更新:2015/10/1(木) 4:18
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