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中国「影の銀行」って何?/木暮太一のやさしい経済ニュース解説

2013/6/25(火) 14:27配信

THE PAGE

中国の短期金利が乱高下しています。これは中国で金融引き締めをしているからです。日本では、金融緩和が進行中ですね。世の中にある国債などの金融商品を、日銀が買い上げ、代わりに現金を世の中に放出しています。

中国ではこの反対で、「金融引き締め」が行われているのです。当局が持っている債権や手形を市場に売ります。そうすることで、市場にある現金を減らすことができますね。

投機で住宅価格が上昇

―――「なぜ、引き締めをしているの?」

それは、不動産価格が上昇していることが大きな原因の一つです。

中国では、以前から不動産投機が盛んに行われており、このところ住宅価格が上昇しています。中国国家統計局によると、今年1月は主要70都市中53都市で新築住宅価格が前月比で上がりました。

お金が市場にたくさん出回っていると、不動産投資ができてしまいます。そして、不動産(住宅)の需要が増え、値段が上がってしまいます。

逆にお金がなくなれば、不動産投資ができず、住宅価格は下がります。
そのために「引き締め」をしたのです。

しかしこの結果、(不動産投資ではない)一般の事業目的でもお金を借りることが難しくなりました。銀行も手持ちのキャッシュが減ったので、融資先を絞らざるを得ません。その結果、お金を借りられない企業が増えました。

そこでシャドーバンクが“登場”します。

銀行でない企業が金を貸す

―――「どういうこと?」

シャドーバンク(影の銀行)は、その名前のイメージ通り、「影(闇)」の銀行です。本来、銀行でない民間企業などが、「お金があるから貸してあげるよ」といって融資をしているのです。

そして、銀行から融資を受けられなくなった企業が、このシャドーバンクから融資を受けています。さらに言うと、一般企業だけではなく、中国の地方政府も融資を受けています。地方政府が公共事業をやる時のお金をシャドーバンクから借りているのです。

しかし、この時の貸出金利は高く、また貸したお金が返ってこない可能性(貸し倒れる可能性)も高いです。

もしこの「シャドーバンク」の融資活動を放っておくと、貸し倒れが貸し倒れを呼ぶ連鎖が拡がりかねません。

―――「なんで?」

たとえばA社が融資を受けたくて、正規の銀行に「お金を貸して」と申込みます。しかし、事業の採算性などを考慮した結果「貸せない」と判断されます。

ここでA社は、シャドーバンクのB社に融資を申し込みに行きます。B社は、高金利でA社にお金を貸します。

日本でも、事業用の資金を銀行に断られた企業が、消費者金融や闇金融からお金を借りることがあります。それと一緒です。

しかし、もともと正規の銀行から「NG」と判断された企業が、高金利でお金を借りて、問題なく返済できる可能性は低いですね。

とすると、どうなるか? A社に貸したお金は結局「貸し倒れ」てしまうのです。

となると、A社に貸していたB社が損をします。B社が大きなダメージを受ければ、B社も倒産に追い込まれる可能性がありますね。そしてB社が正規の銀行から借りていたお金も返済ができなくなります。これが「貸し倒れが貸し倒れを呼ぶ連鎖」です。

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最終更新:2016/2/7(日) 4:29
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