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バーナンキ議長の誤算――「出口戦略」言及が新興国を直撃

2013/6/27(木) 13:32配信

THE PAGE

 米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は6月19日、とうとう量的緩和策の縮小に言及した。

 米経済がこのまま順調に推移すればという前提条件付きだが、来年9月には量的緩和を終了させるという見通しを明らかにした。逆算すると、早ければ今年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で緩和縮小を宣言し、国債の買い入れペースを引き下げる可能性がある。

 バーナンキ氏の発言を受けてダウ平均株価は4営業日で650ドルほど下落し、長期金利は0.4%近く跳ね上がった。ダウの下落とドル高、金利上昇はあらかじめ想定済みだったが、中国など新興国の株価が軒並み暴落してしまったことから、市場関係者は動揺している。

 中国は10%台の驚異的な成長スピードから7%台の安定成長に舵を切り始めている。だがブレーキを踏み過ぎると、これまでの反動で一気に経済が崩壊するリスクを抱えている。場合によってはFRB(連邦準備制度理事会)の出口戦略が中国バブル崩壊のきっかけにもなりかねない状況になってきた。

米国経済は順調だが

 FRBが出口戦略に舵を切った背景には、順調な米国経済の現状がある。米国経済は、第2四半期に入り、歳出強制削減の影響や欧州と中国の景気後退によって踊り場に差し掛かっているものの、総じて順調に推移している。米国の第1四半期における実質GDP成長率は年率2.5%、通年でも2.0%程度の成長が予想されている。

 バーナンキ氏がもっとも懸念しているのは失業率である。現在の失業率は7.6%とまだ高めの水準だが、10%に達したリーマンショック直後に比べれば状況はだいぶ改善してきている。バーナンキ氏は記者会見において「景気の下振れリスクは低減していると」として、米国経済の現状に強い自信を示した。

 米国経済が底堅く推移しているとすれば、大きな弊害が出る前に緩和縮小に舵を切るのは合理的な選択といえる。

 量的緩和策の縮小が実施されれば、長期金利の上昇とドル高がもたらされることになる。一時的だが株価も下落すること予想される。量的緩和であふれたマネーに支えられた現在の株価は割高となっている可能性が高いからだ。実際、バーナンキ氏の会見後には、金利とドルは上昇し、ダウは下落した(図1)。

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最終更新:2015/7/15(水) 4:17
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