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「GNI」150万円アップで生活は楽になる?/木暮太一のやさしいニュース解説

2013/7/2(火) 16:43配信

THE PAGE

日本経済の成長戦略として、政府は、1人あたり“GNI”を10年後までに150万円以上増やすことを表明しました。これで私たち国民の生活は楽になるでしょうか?

かつてのGNPとほぼ同じ意味

―――「その前に、GNIって?」

これは国民総所得(Gross National Income)の略で、国の経済の規模を表します。「その国民がどれくらいの付加価値を生み出したか」を示しています。

かつて「GNP」という指標が使われていました。それとほぼ同じ意味です。

現時点で、より馴染みがあるのは、“GDP”という指標ですね。このGDPは国内の経済がどれくらいの規模かを示しています。日本人だろうが、外国人だろうが、日本国内で経済活動をすれば、日本のGDPに加算されるのです。

一方のGNIは、日本人の経済活動を加算します。日本国内だろうが、海外だろうが、日本人が取引・経済活動を行えば、このGNIに加算されます。

―――「これまでGDPだったのに、なんで変えるの?」

それは日本企業や日本人の活動がグローバルになっているからです。日本の経済力を測るときに、「国内の活動」しか計算しないと、正確に捉えられないのです。
だからより現状を正確に表す「GNI」を使おうということです。

そして、次の10年間で、一人あたりのGNIを150万円増やすというのが政府の意図です。

日本のGNIは490兆円、1人あたりに直すと384万5000円です(2012年度)。ここから150万円上げるということは、じつに約40%増えることになりますね。

―――「そんなこと、本当にできるの?」

それを疑問視する声は多いです。決意表明をしただけで、経済の規模が大きくなるわけではありません。増やすために具体的な政策が必要です。

1人あたり150万円増ではない

さらにいうと、「一人あたりのGNIが150万円増える」ということは、「労働者一人あたりの給料が150万円増える」という意味ではありません。

―――「え? 違うの??」

GNIはあくまで、その国全体の合算です。極端なことを言うと、労働者の給料が1円も増えなくても、経済規模が大きくなれば、GNIは増えます。

稼いだ利益を企業が内部留保(=貯金)する可能性もあります。次のビジネスのために、設備投資に振り向けることもあります。GNIが増えても人件費が増えるとは限らないのです。

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最終更新:2014/12/4(木) 4:17
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