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課題山積の日本版ISA

2013/7/3(水) 11:49配信

THE PAGE

 2014年1月から、日本版ISA(少額投資非課税制度、通称NISA)が始まる。投資元本が年間100万円までならば、株や株式投信の値上がり益、配当・分配金にかかる税金が5年間非課税になる制度だ。

 これまでの「貯蓄から投資へ」の流れの一環として個人のリスクマネーを市場に呼び込むとともに、長期的な資産形成を促すのが狙いである。

 日本版ISAに対する個人投資家の関心は高く金融機関には問い合わせが相次いでいる。だが肝心の制度の内容が非常にわかりにくく、証券会社各社も対応に苦慮しているのが現状だ。

 背景には、株式市場を活性化させたい政府と税収確保を意識する財務省とで意見の相違があり、政府はこれを完全に解消しないまま見切り発車してしまったという事情がある。次年度以降、内容を改正する案も出ているが、このままでは、せっかくの制度が、掛け声だけで終わってしまう可能性もある。

日本版ISA(NISA)とはどんな制度?

 日本版ISAは、1999年に英国で導入された制度がベースになっている。10年の期限付きで、20歳以上の居住者であれば、金融機関を通じて購入した株や株式投信の値上がり益、配当・分配金にかかる税金が非課税になるというものだ。ただし1年あたりの投資額は100万円、非課税期間は5年という制限があり総額の上限は500万円となる。

 これまで株式投資をしたことがない中間層を市場に呼び込むことを念頭においた制度であり、実際英国では、株式市場の投資家層の拡大に一定の効果を上げた。

 日本版ISAは個人投資家の関心も比較的高く、うまく制度を普及させることができれば株式市場の裾野を拡大することができる。だが日本版のISAは英国版と異なり、制度が複雑という大きな問題を抱えている。場合によっては節税効果をうまく発揮できないケースも考えられ、一部からは本当に機能するのかという疑問の声も上がっている。

 日本版ISAの問題点は多く分けて二つある。ひとつは10年という期限の中で実際に節税効果が得られるのは5年に限定される可能性がある点、もうひとつは金融機関の間で口座の移管に制限があるという点である。

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最終更新:2015/1/15(木) 4:02
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