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<参院選>財政再建って何? アベノミクスとの関係は?

2013/7/10(水) 10:35配信

THE PAGE

 今回の参院選における最大の争点はアベノミクスの評価といえます。デフレ克服が日本の最優先課題であることは間違いありませんが、問題はそれだけではありません。デフレの背後には年々悪化する日本の財政問題が横たわっているからです。つまり財政再建とアベノミクスは本来セットで議論すべきテーマなのです。

借金総額は1000兆円に迫る

 従来の景気対策は、基本的に政府がお金を支出して景気を刺激するというものでしたが、あまりにも安易にこれに頼りすぎたため、ほとんど効果がなくなってしまいました。さらに景気対策の多くが国債(国の借金)で賄われており、日本は世界でもトップクラスの借金大国になっています。

 アベノミクスという「異次元」の経済政策は、これ以上借金をせずに景気回復をするにはどうしたらよいかという視点で生まれてきたものです。一部には財政再建に関する議論を参院選後に先送りする案も浮上しているようですが、これは問題の本質を曖昧にしてしまう危険性があります。

 日本の借金の総額(地方分も含む)は1000兆円に迫る状況で、GDPの2倍以上の水準です。財政破綻と騒がれたギリシャですら1.7倍ですから日本の水準は異常といえます(ちなみにアメリカは日本の半分程度ですが、負債が多すぎると大問題になっています)。

 日本政府の毎年の支出は約90兆円ありますが、収入(税収)は43兆円程度しかありません。残りのほとんどは借金(国債)です。年収400万円の人が、500万円近い借金を毎年しているような状況です。国内からの借金であればあまり大した問題ではないという人もいますが、外国人の国債購入者の数は年々増えており、そうもいっていられません。

景気回復がいちばん重要

 では日本政府は何に対してこんなにお金を使っているのでしょうか?支出の中で最も多いのは社会保障費で全体の32%を占めています。次に多いのが国債費(過去の借金の金利返済など)で24%を占めます。3番目は地方交付税交付金で、地方に対する補助です(全体の18%)。つまり、年金や医療、過去の借金の返済、地方への援助という削減することが極めて難しい支出項目で全体の75%近くを占めているのです。

 この巨額の支出と比べると、防衛費(5%)、公共事業(6%)などかわいいものです。もちろん公共事業のムダや公務員の人件費は重要な課題ですが、財政再建という視点で見れば、些末な問題でしかありません。

 政治家はあまり言いたがりませんが、日本が財政再建をするには、年金や医療の水準を大幅に下げるか、あるいは地方への補助を削減するのかという2つの方法しかないのです。ただ好景気が続けば税収が増えるので、これら2つの削減幅を大幅に縮小することが可能です。その意味で景気を回復させることは何よりも重要なことなのです。


(The Capital Tribune Japan)

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最終更新:2015/7/8(水) 4:34
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