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ロッテ今江が語る、僕が引退を考えた日

2013/7/18(木) 11:07配信

THE PAGE

 前半戦が終わりました。
 監督、コーチらは、前半戦の総括を行いますが、僕は豪傑に見えて、実は、日々、その日の打撃や守備の結果を反省、総括しているタイプなので、特別振り返るようなことはしません。僕にとって、この期間をどう過ごすかは、そのシーズンの成績によって変化します。チームの順位も自分の成績もちょっとずつ固まってきています。調子が良くいい流れで来ていれば、その感触、実戦感覚を失いたくない、ゲームに出続けたいと考えます。オールスターの出場チャンスをもらえるならば、ちょうどいい実戦機会です。逆に調子が悪いと、この区切りを利用して新しい気持ちに切り替えようと考えます。浮上するきっかけを、球宴ブレイクにつかみたいと考えるのです。

 また、ちょうど蓄積した疲れがピークに達する時期でもあります。僕は夏は嫌いじゃないので体重が減ったりはしないのですが、疲れが貯まると眠れなくなります。ナイターが終わった日は、だいたい寝床につくのは、2時、3時です。打てば打ったで、その興奮が冷めず、結果が出ていなければ、あれこれと悩み、いつのまにか、4時、5時となり、表が明るくなってきます。
 「やばい、もう朝やん。睡眠不足では試合に影響する」と焦ると、なおさら眠れなくなります。肉体は疲れているのですが、精神が冴えるのでしょう。
 さて、今年の前半終了時点での僕の心境は、「このまま実戦感覚をなくしたくないな」というものです。打率も3割をキープしています。交流戦の後に4日間休みがあって連休をいただきましたが、再開1試合目は、まるで自分の体でないような変な感じがしました。バタっと休んでしまうとゲーム用の肉体にコンディションに戻すのは大変なのです。少し休みながら動く。「アクティブレスト」と言われるコンディション調整が、ベストだとよくわかりました。

 チームも2位につけ、投打が噛み合っています。しかし、僕自身、すべてが順調だったわけではありません。
 開幕直後の4月には、打率は1割6分まで低迷、スタメン落ち、チャンスで代打を送られるという屈辱のドン底を味わいました。去年も成績が悪く、再起を誓ったシーズンに出遅れ、「このままではオレの野球人生は終わってしまう」と、引退の二文字が頭をよぎるほど追い詰められました。
 「何かを変えなければならない」。ああでもない、こうでもないと、バッティングのスタイルを試行錯誤しているうちに、ひとつの結論に辿りつきました。「バットにボールを当てないことには始まらない」というシンプルな原点への回帰です。僕は、それまでカウントを追い込まれてもフルスイングすることがモットーでした。タイミングは、ボールと体との距離感なので、スイングが小さくなるとダメだと考えていたのです。しかし、間合いさえ保つことができれば、小さくコンパクトに打つ方が、確実性が増すのではないか。まず、バットのどこでもいいからボールに当てることではないか。ポテンヒットでもなんでもいい。僕は、原点に立ち返ってコンパクトなスイングに変えることを決断しました。

 バットも変えました。これまでは、どちらかというと、グリップが細くヘッドが重たい長距離型のバットでしたが、重心を下げ、グリップ部分をなだらかな曲線にして、グリっプをいっぱいに長く持たなくとも違和感がないようにしました。心持ちバットを短く持つようにしたのです。これもプロ入り初めての試みです。
 同じ頃、伊東監督からも、こんなアドバイスをもらいました。不振からなんとか脱出したいともがき、志願特打をしている最中だったと思います。
 「ゴリ! 初球からもっと思い切ってふっていけ! おまえは3球までに勝負決めるタイプのバッターなんだから初球を簡単に見逃すとタイミングがあわなくなるぞ」

 確かに僕はボールを見極めて打つタイプではありません。しかし、結果が出ないので、バットを振りにいくのが怖かったのです。四球にでもならないかと、弱気になって初球は見逃し追い込まれるまでバットが出ないという悪循環に陥っていました。調子が悪いのに、もし初球から打って出て、ボテボテのゴロやポップフライで凡退すれば、「なんで初球を打ってその打球?」と、監督やコーチの信頼をさらに失い、チャンスがなくなることが怖かったのです。でも、その監督の一言で吹っ切れました。思い切ったスイングができるようになったのです。今でも打席に入ると、迷う時がありますが、「監督が、ああ言ってくれたんだから結果を恐れずガンガン行けばいいんだ」と、打席で本来の積極的が出るようになったのです。すると、結果がついてくるようになってきました。

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最終更新:2015/12/18(金) 4:35
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