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<麻生発言>ナチスは民主憲法でなぜ独裁?/戦前の日本でも同じ問題

2013/8/1(木) 16:50配信

THE PAGE

 麻生財務大臣が憲法改正をめぐって「ナチスの手口に学ぶべき」と発言したことで、麻生氏は発言の撤回に追い込まれました。海外からはナチスを賞賛したとして批判されているのですが、そもそも麻生氏が述べている「ナチスの手口」とはどのようなことを指しているのでしょうか?

 麻生氏が引き合いに出したのは、第二次大戦前のドイツが当時としてはもっとも民主的で模範的といわれたワイマール憲法を掲げていながら、民主主義を否定するナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)に支配されてしまったという一連の経緯です。

民主的な選挙で多数派に

 ナチスは非合法的に独裁政治を行ったようなイメージがありますが、そうではありません。ナチスはワイマール憲法に基づいて民主的に選挙で選ばれ、議会で多数派となったのです。議会で多数派となったナチスは、全権委任法をはじめとする民主主義を否定する一連の法律を次々に議会で可決させ、いつの間にかワイマール憲法を機能しないようにしてしまったのです。

 ワイマール憲法を廃止したり停止したわけではないので、ドイツ国民にとってみれば、知らない間に憲法が変わってしまったかのような状態でした。麻生氏による「ナチスの手口」とはこのことを指していると思われます。麻生氏の発言の真意は分かりませんが、ナチスのようにこっそりと憲法改正を進めればよいという趣旨であれば、それは看過できるものではないでしょう。

 ナチスが引き合いに出されていますが、太平洋戦争直前の日本も実はまったく同じような状況でした。大日本帝国憲法は確かに天皇主権ですが、大正デモクラシーと呼ばれる民主化運動の成果もあり、その解釈は国際的に見てもかなり民主的なものになっていました。

 しかし、昭和に入って軍部が台頭し、軍部の支援を受けた軍国主義的な政治家が議会で当選するようになってきます。彼らは多数派となり、国家総動員法など非民主的な法律を次々に成立させました。戦争が始まる頃には日本の民主主義はほとんど機能しなくなっていたのです。

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最終更新:2015/2/13(金) 3:20
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