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年金はどんなしくみ? 将来どうなるの?/社会保障制度改革

2013/8/6(火) 10:30配信

THE PAGE

 厚生年金の受給開始年齢の引き上げが今年度から始まりました。従来、60歳から受給できた年金は今年度以降、段階的に65歳へと引き上げられます。日本の年金制度については若い世代を中心に、その持続可能性について不安を持つ人が増えてきています。このため政府は年金制度の抜本的な改革を目指していますが、なかなか思うように進んでいないのが実情です。果たして日本の年金は大丈夫なのでしょうか?

若い世代が高齢者を扶養する制度

 日本の年金制度について考えるためには、まずその基本的な仕組みを理解する必要があります。多くの人が誤解しているのですが、日本の年金制度は、個人が老後の資金を積み立て、それを年金という形で受給するという個人積立型ではありません。日本の年金制度は、若い世代の人が高齢者の世代の人を扶養するという考えに基づいて制度設計されています。

 社会保障制度のあり方について議論する政府の「社会保障制度改革国民会議」は8月6日、社会保障制度改革を盛り込んだ報告書を安倍首相に提出しましたが、その報告書の中においても「年金制度は子どもが親を扶養するという私的扶養を社会化したものであることに十分留意が必要」と明言されています。

 つまり、日本の年金制度というものは、個人が自分の老後生活を準備するものではなく、あくまで子供が親を私的に扶養することを原則として、政府がそれを支援するものなのです。したがって高齢者の数が多くなってくると、若い世代の負担は無制限に増えることになります。

 一部ではこうした古い家族制度の価値観をもとにした形態をやめ、個人が自分の老後資金を積み立てる方式にすべきという意見もありますが、現在のところ、政府はこの制度を変更する予定は立てていません。

年金をもらえるのは80歳超に?

 日本は少子高齢化が急速に進んでいるので、受給者への給付金は年々増大しています。現在、年金の運用原資は120兆円ほどありますが、加入者の保険料よりも受給者への給付金が大きく上回っており、毎年4兆円ずつ資金が減少しています。運用益がないと仮定すると、単純計算では30年で年金原資はゼロになってしまい、年金制度は破綻してしまいます。

 現在の制度を変更せずに、破綻を防ぐためには、基本的には年金の保険料を増やすか、受給額を減少させる以外に方法はないのです。社会保障制度改革国民会議では、今後の年金のあり方として「能力別」負担をうたっています。これは経済力がある高齢者に対しては給付金を削減していくというものです。

 また物価上昇に応じて給付金額を増大させる物価スライド制の廃止も検討するとしています。保険料を値上げし、給付金額を減少させていけば何とか破綻は回避することができると考えられますが、若年層の加入者が年金をもらう時には、受給開始年齢は80歳を超えているような状況になっている可能性が高いでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/4/23(木) 4:24
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