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「日本版オリエント急行」は定着するか?

2013/8/9(金) 14:57配信

THE PAGE

 鉄道各社が内外装にこだわり、客室などもぜいたくな造りにした豪華列車の投入で競い始めています。近畿日本鉄道は今春から、大阪や名古屋と伊勢神宮(三重県)方面を結ぶ路線に、豪華観光特急「しまかぜ」を走らせ人気を博しています。またJR東日本は50億円を投じて豪華列車を新造することを決定、JR西日本も意欲をみせるなど豪華列車ブームのきざしも見えます。「日本版オリエント急行」は定着していくのか。今後、東海道新幹線を運行するJR東海や私鉄各社がどのような動きをみせるか注目されます。

予約困難な豪華列車 競い合う各社

 近鉄は今年3月、大阪難波駅、近鉄名古屋駅それぞれと賢島駅(三重県)の間を往復する「しまかぜ」の運行を開始。従来の特急料金より1000円高額ながら好調な売れ行きを続けており、8月中の予約も困難な状況になっています。展望車両や和洋風の個室席があるほか、軽食が楽しめるカフェ席などを設置。専属の接客係もつく充実ぶりです。今年、伊勢神宮は20年に1度の「式年遷宮」の年に当たり、その参拝客獲得を狙って、しまかぜは投入されました。

 JR東日本の豪華列車「クルーズトレイン」は2016年春以降の運行開始を目指し、東日本を中心に観光名所をめぐるルートを検討。デザインは秋田新幹線も監修した奥山清行氏が担当します。列車編成は10両の専用編成とし、ダイニングやラウンジを用意する予定です。1両当たり2~3室の客室とし、2クラスのスイートルームを提供。また電化区間と非電化区間の両方で走行できるハイブリット方式を採用します。同方式の採用は国内初で、力の入れ具合がうかがえます。

 JR西日本も今後5年間で新たな豪華列車の投入を目指すことを表明し、豪華列車は鉄道各社のキーワードになっています。

鉄道各社の豪華列車を投入する背景

 JR各社が豪華列車投入に動く背景の一つに、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」の人気過熱があげられます。

 「ななつ星」はJR九州が30億円を投じた九州周遊のデラックス列車で、今年10月15日デビューの予定。一人当たり旅費40-55万円前後(3泊4日コース)にも関わらず、平均競争倍率9・6倍の人気ぶりです。

 外観は、落ち着いたワインレッドカラーで、担当デザイナーの水戸岡鋭治氏によると「古代漆(こだいうるし)色」で仕上げています。内装も国産木材や畳を使った「和洋融合」をコンセプトにしており、九州の美食を楽しむ食堂車とピアノの生演奏などがあるバーなどが楽しめるラウンジを持つなど、まさに走るホテルといった印象です。水戸岡氏は九州新幹線などを手がけたことでも有名です。

 定員は28人に絞り、客車は2部屋しかない「デラックススイート」と1車両に3部屋を配した「スイート」の2タイプ。コースは3泊4日の場合、博多(福岡県)を出発し、由布院(大分県)で下車して散策などをした後、列車泊。2日目は宮崎県を走り2泊目は霧島温泉(鹿児島県)に宿泊します。3日目は鹿児島を観光して列車泊し、4日目は阿蘇(熊本県)経由で戻るルート。すでに今年10月から来年3月末分までは販売を終了しており、1部屋95万円のデラックススイートの最高倍率は87倍という驚きの人気です。

 JR九州は「豪華列車は唐池恒二社長が20年以上前から温めていた構想。欧州のオリエント急行のように定着すれば」と期待をこめています。

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最終更新:2016/2/21(日) 4:00
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