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「見せかけの景気回復」で消費税増税決定か

2013/8/9(金) 16:56配信

THE PAGE

 政治の世界では安倍政権が消費税増税をいつ決定するのかに注目が集まり始めています。4~6月期のGDP成長率(8/12速報値、9/9改定値発表)が主な判断材料となりそうですが、それは見せかけの景気回復を前提にした増税となってしまうかもしれません。なぜなら財務省など政策当局にとっては、この時期のGDPがかなり良い数字になることがあらかじめわかっているからです。

「景気条項」は曖昧な表現

 消費税は今のところ2014年4月から8%に、2015年10月には10%に増税される予定です。しかし消費増税法案には景気条項というものが付属していて、名目で3%、実質で2%程度の経済成長が増税の条件ということになっています。

 安倍政権内部からは、今のタイミングで消費税の増税を行えばせっかく回復してきた景気に水を差すのではないかという懸念の声が出る一方、財務省などは危機的な状況にある日本の財政状況を考えると消費税増税は避けて通れないという立場を崩していません。

 当初安倍政権では、どのタイミングで消費税増税を決定するのかについてほとんど言及していませんでした。景気条項には名目で3%、実質で2%程度という数値は記載されていますが、実は非常に曖昧な表現になっており、この数値が増税の条件と明確に書いてあるわけではありません。最悪の場合には、GDPの数字が悪くても総合的に判断して増税を決断できる余地を残していたわけです。

 ところがここにきて、4~6月期のGDPという具体的な項目に政権幹部が言及し始めたのは、4~6月期のGDPが良好な数字になる可能性が高くなってきたからです。今年の1~3月期GDPは一次速報値が年率換算で3.5%、二次速報値が4.1%でした。エコノミストなど専門家の多くは4~6月期についても同様の数値になる可能性が高いと判断しています。

補正予算の効果が年内持続か

 その理由は、今年1月に成立した2012年度補正予算の効果です。公共事業は予算が立てられてから実際に執行されるまでにタイムラグがあります。1月に決定した公共事業は、最近になってようやく建設業界への受注額増加という形で顕在化してきており、今年いっぱいはその効果が持続する可能性が高いのです。

 もっとも公共事業の効果は来年は消滅してしまいますから、消費税を実際に増税する頃には景気が冷え込んでいる可能性もあるわけです。安倍政権内部では、2014年の8%への増税はスケジュール通りに実施するが、2015年の10%への増税は延期する、あるいは2014年の8%への増税も延期するというプランが一部では議論されているようです。
 
 しかし一旦法案が通ってしまった消費税の増税を延期することは容易ではなく現実的にはかなり難しいといわれています。国民からの大きな声が出てこない限りは増税が延期される可能性は小さいといえるでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/3/22(日) 4:52
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