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米FRBの「出口戦略」、 日本と世界にどう影響?

2013/8/13(火) 12:11配信

THE PAGE

量的緩和策を縮小するプロセス

 米国ではこのところFRB(連邦準備制度理事会)の出口戦略に注目が集まっています。出口戦略とはリーマンショック以降続けられてきた量的緩和策を縮小するプロセスのことを指しているのですが、これがどのように実施されるのかで、日本をはじめとする世界各国は大きな影響を受けることになります。

 これまで米国は、リーマンショックによる危機から脱却するため、量的緩和策と呼ばれる金融政策を実施してきました。量的緩和策とは、中央銀行が国債などの金融資産を積極的に購入し、市場に大量の資金を供給するというものです。米国の中央銀行にあたるFRBは2008年から量的緩和策第1段(QE1)を、2010年からは第2弾(QE2)を、2012年からは第3弾(QE3)を相次いで実施してきました。2013年4月から始まった日銀による異次元の量的緩和策も、米国の量的緩和策と同様のものとなります。

 日本や欧州がリーマンショックの影響からなかなか立ち直れない中、米国は量的緩和策が効果を発揮し順調に経済が回復しています。FRBがどのタイミングで量的緩和策をやめるのかという出口戦略に注目が集まっているのは、好調な経済を背景に量的緩和策を続けることの弊害が強く指摘されるようになってきたからです。

 FRBのバーナンキ議長は6月19日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、米国経済がこのまま順調に推移すればという条件付きながらも、量的緩和を終了させる見通しであることを明らかにしました。7月5日に発表された雇用統計の結果が良好だったことから、一時は9月にも緩和縮小がスタートするとの見方が広がりました。

 その後バーナンキ議長は、失業率などが目標を下回った場合には、現在の緩和策を当面続ける可能性もあるという慎重な発言を行いましたが、多くの関係者が年内に緩和縮小が始まるとみています。

日本の金利に上昇圧力も

 量的緩和の縮小は好調な米国経済を背景にしていますから、緩和縮小が始まると長期金利が上昇する可能性が高くなります(景気がよくなると金利は上昇します)。したがって株価は一時下落することはあっても、長期的には上昇に転じることになるでしょう。また量的緩和によって世界に供給されたドルが、高い金利や好調な米国経済に惹かれて米国に戻ってきますから、長期的なドル高が予想されます。

 このため中国など新興国の一部では、ドル資金の米国環流で株価や不動産価格が大幅に下落するのではないかという懸念も出ています。日本の金利にも上昇圧力が高まることになるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/15(金) 4:19
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