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ゲリラ豪雨 なぜ起きる?

2013/8/14(水) 18:04配信

THE PAGE

 夏の気象をあらわす言葉として、すっかり定着した「ゲリラ豪雨」。じつは正式な気象用語ではなく、気象庁では「局地的大雨」と表現しています。猛暑が続く今夏。気温が上昇すると、ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲が発生しやすくなります。ウェザーニューズが発表した「お盆休みの天気傾向」を見ると、お盆休みの後半になるほど、広範囲でゲリラ雷雨(ゲリラ豪雨)が発生する可能性が高まるとされています。同社が7月に発表した予想によると、今夏のゲリラ雷雨の発生回数は、昨年の3.5倍となる見込みです。

豪雨や雷の発生メカニズム

 ゲリラ豪雨の発生メカニズムは、いわゆる「夕立」と変わりません。夏の日差しによって暖められた空気が上昇して積乱雲が生まれ、大粒の雨を降らせます。日が傾く頃になると、日中に暖められ続けた地表付近の空気と、上空の空気の温度差が大きくなるため、より積乱雲の発達がうながされます。地表付近は暑くても、上空は氷点下の世界。この温度差によって大気が不安定になり、ゲリラ豪雨の引き金となるわけです。
 
 また、ゲリラ豪雨といえば、激しい雷をイメージする人も多いと思います。雷のもとになるのは、地表の湿った空気が上昇し、上空で急速に冷やされることで生まれる氷の粒。多数の氷の粒が衝突して砕けたり、摩擦ですり減ったりする際に電気が生じて落雷につながるのです。

 積乱雲は単独で発生し、面積もそう大きくないため、雨が降るのは数キロ程度の範囲内に留まり、1時間も待てばあがります。しかし、一ヵ所に降る雨の量が問題です。風向きや寒気の影響を受けて、狭いエリアに集中して雨が降ると、通常の夕立レベルとはケタが違う降水量となります。「局地的大雨」という名の通り範囲が小さく、移動速度も早いため、いつ、どこで発生するのかを予測するのが難しいという課題もあります。

ゲリラ豪雨が増えた背景

 近年、ゲリラ豪雨の発生が増加した背景には、地球温暖化やヒートアイランド現象など、さまざまな要因が挙げられています。

 気温の上昇は80年代から話題になっていましたが、今夏は高知県・四万十市で41.0度という国内史上最高の気温を記録(8月12日)するなど、年々暑さが増している印象です。それに合わせるように、短時間に激しい雨が降る回数も、一昔前より大幅に増えています。アメダスの観測データによると、1976年~1985年の間に、1時間に50ミリ以上の雨が降った回数は年平均で約174回(1000地点あたり)。これが2003年~2012年になると、年平均で約236回と大幅に回数が増しています。

 東京や大阪など大都市の平均気温は、この100年で3度も上昇。ヒートアイランド現象によって熱がこもった都会の地表は、湿った空気を高温にし、積乱雲の発生をより活発にします。また、都市のビル群や地形の影響といった複数の要素によってゲリラ豪雨が引き起こされるとする研究もあります。2012年9月23日付けの日本経済新聞によると、スーパーコンピュータで夏のゲリラ豪雨を模擬実験したところ、建物のデータを入れた都市モデルと、建物なしの場合では、1時間の雨量で2~3割の差が出たといいます。

 アスファルトやコンクリートに覆われた都会は、地表に染み込む雨の量が少ないため、道路が水浸しになったり、下水から汚水があふれ出したりと、しばしば災害につながります。ゲリラ豪雨の被害が多い東京・練馬区では、今年、中村地区の豊中通り地下に全長約2.4キロ、25メートルのプール70杯分もの雨水を貯留することができる貯留管を設置しました。ゲリラ豪雨の原因といわれる地球温暖化やヒートアイランド現象は、一朝一夕では解決できません。実践的かつ速やかな対策が必要とされています。

(Sherpa/編集プロダクション)

最終更新:2016/2/22(月) 3:51
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