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靖国参拝の賛否、多様化する論点

2013/8/15(木) 10:11配信

THE PAGE

 安倍首相は、終戦記念日の靖国神社参拝を見送りました。靖国神社への参拝に対しては、国のために命を捧げた人を鎮魂するのは当然のことであるという賛成論がある一方で、以前から中国や韓国などはこれを強く批判してきました。また日本国内にも参拝に反対する意見があります。しかし靖国神社参拝の何がいけないのかという点については、意見を表明する立場によって様々で、実は明確な方向性というものがありません。このことが靖国問題をさらに解決しにくいものにしているといえるでしょう。

反対意見を3つに分類

 様々な見解がある靖国問題ですが、反対意見を整理すると大きく3つに分類することができます。まず最初は、反戦平和という観点から、理由の如何に関わらず参拝に反対するという立場です。戦後の左翼運動や市民運動などの影響を受けている人によく見られるスタンスです。多くの場合、日本が戦争を遂行したこと自体を「悪」と捉えており、靖国神社への参拝は戦争の時代に逆戻りすることの象徴だと彼らは主張しています。

 二つ目は憲法で禁じている政教分離の原則に反するというものです。憲法では政府が宗教活動に関与することを禁止しています。靖国神社は宗教法人ですから、閣僚が参拝することはその原則に反しているという解釈です。最近ではあまり聞かれなくなりましたが、マスコミの記者が参拝した閣僚に対して「公人としてですか?それとも私人としてですか?」と問い詰める場面が以前はよく見られました。

 三つ目は靖国神社にA級戦犯が合祀されていることを問題視するという立場です。太平洋戦争開戦当時の陸軍首脳や政治家の一部は極東国際軍事裁判(東京裁判)において、主に「平和に対する罪」で有罪判決を受け、このうち東条英機元首相ら7名に死刑が言い渡されました。A級戦犯合祀の問題は特に中国や韓国が強い口調で非難しています。

 戦争犯罪人を合祀しているという状況や政教分離の問題をクリアするため、戦犯該当者を分祀する案や宗教色を廃した国営の追悼施設を建設する案が浮上したこともありましたが、いずれも実現していません。

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最終更新:2016/2/18(木) 4:41
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