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前橋育英、高橋のどこが優れているのか

2013/8/22(木) 20:18配信

THE PAGE

素晴らしい球持ち

 ウイニングショットは抜いた変化球。
 スイングアウトを確認すると、前橋育英高校の2年生エース、高橋光成は、一度下を向くと、両手を円でも描くようにふわっと広げた。疲労困憊だった顔が少し緩んだ。たちまち元気な輪ができた。
 準決勝まで41イニングで自責点ゼロ。
 “ミスターゼロ”も決勝は3失点をした。だが、堂々の完投で優勝投手となった。
 今回大会を通じて、元阪神タイガース、日本代表スコアラーを務めてきた三宅博さんに“プロの目”で、高橋投手のピッチングを分析しておいてもらった。

――高橋は、どこがいいのですか?
 「阪神のスコアラー時代に監督だった野村克也さんが、いいピッチャーの条件をこう順番に並べていた。1にコントロール、2にボールのキレ、3にスピードだと。高橋という投手は、まさに、この順番通りを満たしている投手。この暑いのに6試合中5試合も完投だろ? たいした2年生だよ」

――今日のストレートはMAX139キロほどです。
 「ストレートで空振りが取れる。横からの映された映像を見たけれど、リリースポイントが前にあり球持ちが素晴らしい。長身を生かして腕を長く使えるので、おそらく打席で打者はスピードガン表示以上のスピードに感じるのだろう。いいピッチャーの典型だ。天性のものを感じる。高校生はよくタオルを使ったシャドーピッチングをさせられるが、リリースの瞬間のピッという音が聞こえてきそうな腕の使い方だ。済美の安楽投手は、対照的にスピードガン表示は150キロを超えているけれど、あまり速く感じなかった。安楽の球筋、球質、フォークは、阪神の久保田にとても似ているなあと思った」

――高橋の球筋、球筋はプロで言えば?
 「いい時の西武の涌井、オリックスの金子のような球筋、球質、フォームバランスだな」

――まとまりがありますね。
 「決勝戦の力みからか、序盤はストレート中心の配球となり3回に3点を失ったが、本来まとまりのあるピッチャー。変化球は抜いたカーブに、スライダーを横にずらすものと、タテにまるでスプリットのように落とすものが2種類ある。フォークもあるようだが、このタテに落とすスライダーが非常に効果的だ。ボールが先行してもカウント球にも勝負球にも使える。伸びのあるストレートに加え、このまとまりがあれば、なかなか点を取られないのはよくわかる」

――将来性は?
 「まだ2年だろ? この秋、冬に下半身をさらに鍛え、肩、ヒジに故障さえせずに来年を迎えることができれば、間違いなくドラフトの目玉となるだろう。コントロールがあるから高校卒でも即戦力に近い形でプロに行くんじゃないか。今大会は、技巧派の投手が目立って、本格派は、安楽と、この高橋くらいだったが、私の評価は、安楽より高橋だ」
(聞き手・本郷陽一/論スポ)

最終更新:2015/8/12(水) 4:12
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