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労働者派遣法の見直し、得するのは誰?

2013/8/30(金) 10:10配信

THE PAGE

 派遣制度の内容が大きく変わろうとしています。派遣制度の見直しを議論してきた厚生労働省の有識者会議は8月20日、労働者派遣法の見直しに関する最終報告書を提出しました。厚労省ではこの報告書をたたき台に、派遣制度の見直し作業を本格化させることになります。報告書で提示された見直し案は多岐にわたっていますが、もっとも大きく影響するのは、派遣期間と業種に関する規制の変更です。この見直しにより派遣動労者の待遇は改善するのでしょうか。

 現行の派遣制度では、派遣会社が労働者を3年を超えて派遣することを禁止しています。それは派遣先企業における正社員の雇用を守るためです。例外的にあらかじめ指定された26業種だけに3年を超える派遣が認められています。報告書の案では、この26業種の例外を撤廃し、原則としてすべての業種で3年を超える派遣を禁止します。その代わり、派遣する人を変えれば、3年を超えて派遣することが可能としています。

26業種の派遣労働者にはデメリット

 この見直しによって最初に影響を受けるのが、これまで3年を超える派遣が可能だった26業種の派遣労働者です。彼らは同じ派遣先に3年を超えて派遣されることができなくなります。派遣会社が別の派遣先を見つけてこない限りは、継続して仕事をすることができなくなってしまうでしょう。

 報告書では、派遣会社に労働者の雇用安定措置を実施するよう求めており、派遣会社は派遣先に対して直接雇用してもらえるように働きかける、他の派遣先をきちんと提供するといったことが義務づけられるとしています。しかし、この措置を厳格に求めてしまうと派遣会社の経営がなりたたなくなるという問題もあるため、派遣社員の身分安定にどれほど寄与するのかは今のところ不明です。

 26業種以外の派遣社員にとっては、これまでは業務ごとに3年で派遣打ち切りだったのが、同一の派遣社員が最長3年間働くことができるようになります。このため後任の派遣社員も最長3年働ける可能性が出てきますが、もともと最長で3年ですから、それほど状況は変わらないかもしれません。もし、雇用安定措置が機能するようになれば、派遣社員としての身分は安定することになるでしょう。

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最終更新:2015/10/14(水) 3:25
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