ここから本文です

中国バブル崩壊の瀬戸際、危機を脱した?/米欧の景気回復が追い風

2013/9/2(月) 10:45配信

THE PAGE

 バブル崩壊の瀬戸際に立たされているといわれる中国経済ですが、足元では改善の兆しが出てきています。予断を許さない状況であることに変わりはありませんが、危機的状況からは脱したかもしれません。

製造業の景気指数が50超える

 中国国家統計局は9月1日、8月のPMI(製造業購買担当者景気指数)が51.0になったと発表しました。PMIとは製造業の景況感を示す指数として世界的に使われているもので、企業へのアンケート結果をもとに製造業の状況を一定のルールで指数化したものです。50を超えていると好況、50を下回ると不況と判断されます。

 中国のPMIは、景気失速が叫ばれて以降、50ギリギリの状況が続いていましたが、このところ回復傾向を示しています。今月は先月に比べて0.7ポイントの上昇となりました。ちなみに、中国の経済指標については数値が改ざんされているとの疑惑が取り沙汰されていますが、最近ではどの指標がどれだけ改ざんされているのかについて多くの関係者が知るようになってきました。市場の反応はすでにこうした数値改ざんを織り込んだものとなっています。

 中国のPMIが改善した理由は、米国と欧州の景気が回復してきたからです。中国は欧米メーカーの生産拠点となっており、欧米の景気回復は中国製造業にとって追い風となります。米国の景気回復は以前から鮮明でしたが、このところ欧州の景気底入れがよりはっきりしてきています。これが中国の製造業に大きな影響を与えているわけです。

 中国のバブルは過剰な不動産投資によるもので、これにはシャドーバンキングと呼ばれる銀行以外の過剰融資が大きく影響しています。中国バブルが崩壊するのかどうかは、こうした過剰融資とそれに伴う不良債権が限界点に達しているのかどうかという点と、足元で経済成長を維持できる環境にあるのかという2つの点にかかっています。

いつ崩壊してもおかしくないが

 中国のシャドーバンキングの実態は不明ですが、中国の融資総額は少なく見積もってもGDPの1.7倍近くに達しており、バブル崩壊当時の日本やリーマンショック直前の米国に匹敵する水準になっています。理論的にはいつバブルが崩壊してもおかしくありません。

 しかし幸か不幸か、中国は共産党による独裁国家です。中国政府は日本のバブル崩壊を研究し尽くしており、大崩壊に至らないよう、財産権などを無視した強権発動の実施も辞さない構えです。強権発動が可能という点で、民主国家である米国や日本よりも崩壊の封じ込めは容易かもしれません。足元の経済状況は、PMIの好転などで少し落ち着きを取り戻しつつあります。中国政府としては、世界経済回復の波にうまく乗り、不良債権をその中で徐々に処理していく目論見であると考えられます。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/8/11(火) 4:01
THE PAGE