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住宅ローン組むなら今?/金利と物価からタイミングを読む

2013/9/3(火) 10:28配信

THE PAGE

 消費税増税を前に、駆け込み需要を狙った住宅ローンの引き下げ競争が激しくなっています。日銀による量的緩和策の影響で、一部では金利の上昇やインフレが予想されており、住宅購入を検討している人の多くは、今が住宅を購入する最後のチャンスと考えています。一方、人口減少などから不動産の価値は長期的に下落すると考え、賃貸のままでよいと考える人の割合も増えています。果たして今は住宅の買い時なのでしょうか?

アベノミクスで物価が上がれば

 結論からいうと、ローンを組んで住宅を購入しようと決めている人にとっては、今は非常にタイミングのよい時期といえるでしょう。消費税の増税によって値上がりしてしまう前に購入できるという点はもちろんのこと、もっとも重要なのは、やはり金利とインフレの動向です。アベノミクスがうまくいくのかは現時点では判断することができませんが、もしアベノミクスが効果を発揮することになれば、物価は間違いなく上昇していきます。

一方、借金の金額は物価が上がっても変わりません。今ローンを組んで、将来物価が上昇すれば、物価上昇分は借りた人が得することになります。物価が上昇すれば、それに応じて金利も上昇していきます。現在は、日銀が積極的に国債を購入しているので金利の上昇は抑制されており、金融機関各社も住宅ローン金利を引き下げることが可能となっています。しかし、物価上昇が鮮明になった場合には、住宅ローン金利もいずれは上昇してくることになります。

 実際、7月の全国消費者物価指数は前年同月比でプラス0.7%と2カ月連続の上昇となりました。これは円安による輸入物価上昇の影響が大きいため、アベノミクスの成果なのかはまだはっきりしていません。いずれにせよ、今後も継続して物価が上昇すると考えるのであれば、ローンを組んで住宅を購入することはよい投資といえるでしょう。

デフレが続くと思うなら

 しかし、今後もデフレが続くと考えるのであれば、住宅の取得には慎重になった方がよいと考えられます。日本は加速度的に人口の減少が進んでおり、使われていない不動産は増加の一途を辿っています。国土交通省の調査では、自身が居住する物件以外の不動産の利用状況は3割が「未利用」となっています。正確な統計ではありませんが、賃貸用物件の2割は空室といわれており、20年後には4割に達するとの予想もあります。

 また土地の価格も下げ止まり感は出てきてはいるものの、住宅地で依然として前年比マイナスが続いています。マクロ的に見れば住宅は完全に余っており、実質的な家賃は、今後も下がり続ける可能性が高いといえます。

 以前と異なり、住宅は「皆が購入するモノ」ではなくなっています。確かに今はよいタイミングなのかもしれませんが、自身が居住する住宅であっても、投資案件として利益の得られるものなのかというシビアな視点が必要です。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2015/10/24(土) 4:05
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