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東京五輪 招致成功を米メディアはどう伝えたか?

2013/9/9(月) 17:18配信

THE PAGE

 2020年の夏季オリンピックの開催地が決まった瞬間、日本のウェブサイト、例えば、大手ポータルサイトや朝日新聞などの大手新聞社のトップページには、速報が流れた。
 同じとき、世界最大の米スポーツサイト「ESPN.COM」も確認したが、こちらは、その日行なわれていた大学フットボールの結果、及び途中経過がトップページに出ていただけで、TOKYOのTの字もなかった。
 無理もない。今回、アメリカの都市は立候補しなかった。どこに決まるのか。7年後の開催地になど、たいして興味はなかったのだ。

 よって、一応、大手メディアはIOC総会が行なわれたアルゼンチンのブエノスアイレスに記者を派遣していたようだが、原稿は似たようなもの。どこも、日本の安全性が決め手になったと報じるのみで、それ以上でもそれ以下でもなかった。それでも一応、米主要メディアの一報を辿る……。

 まずこれが、「ニューヨーク・タイムズ」紙の見出し。
 “For 2020 Olympics, I.O.C. Picks Tokyo, Considered Safe Choice”
 (2020年のオリンピックは、IOCが東京を選んだ。安全で、無難な選択だった)

 米唯一の全国紙「USA TODAY」紙も、冒頭で、"safe pair of hands"
(的確な判断が出来る、安心だ)という言葉を用いながら、日本が選ばれた要因を説明している。

 開催地が決定する直前に福島の放射能、汚染水問題が懸念として浮上したことを考えると、どこか矛盾しているが、その他の面―― 例えば、治安は大丈夫か、大会が滞りなく開催されるかどうか、という点ではスペインのマドリード、トルコのイスタンブールを上回り、「安心して任せることが出来る」という国際オリンピック委員会(以下IOC)がもっとも好む要素を満たしていた――というのが、大方の伝え方だった。

 もっとも日本が決め手を欠いたことは確か。米メディアは、むしろ分かりやすかったことから、敗れたスペインのマドリードとトルコのイスタンブールの敗因の紹介に力を入れ、見方を変えればそこには、日本は失点を最小限に防いだから勝てたに過ぎないというニュアンスが感じられた。

 例えば、「CNN.COM」は、日本の懸念が福島の放射能、汚染水問題だけだったのに対し、イスタンブールは大きく分けて3つの敗因があると報じている。
 「内戦状態にあるシリアに面している。将来、トルコにも影響が及ぶ恐れがある」
 「8月、40人近い薬物違反が発覚した」
 「6月、大規模な反政府デモが起きた」

 この他、反政府デモでは、大量の人間を政治犯として捕らえ、それには内外から批判があること、またトルコでは報道の自由がないことなども指摘され、叩けばいくらでも埃が出る状態になっていたことを指摘していた。

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最終更新:2015/12/10(木) 4:52
THE PAGE