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終身雇用望む若者 国の政策は真逆

2013/9/12(木) 13:24配信

THE PAGE

 多くの若者が1社での終身雇用を望んでいるのに、政府の対策はそれとは逆方向。最新の厚生労働白書を見ると、若者の労働環境をとりまく矛盾した状況が浮かび上がってきます。

 厚生労働省は9月10日、2013年版の厚生労働白書を公表しました。この中で取り上げられた、若者のキャリア形成に関するアンケート結果は興味深いものとなっています。20代の若者で1つの企業に勤め続けたいと考える人の割合は、1999年の調査で約37%だったのが、2011年は大幅に上昇して50%を突破しました。一方、複数企業でキャリアを形成したい考える人や独立自営したいという人の割合は低下しています。つまり、現代の若者は以前と比べて、1社での終身雇用をより強く望んでいるわけです。

諸外国と比べても低い転職志向

 国際比較調査でも結果は同様でした。「職場に不満があれば転職する方がよい」と考える人の割合は諸外国に比べて圧倒的に低く(米国は日本の2.5倍、フランスは2倍、韓国は1.8倍)、多少の不満があっても同じ会社に勤め続けることを望む傾向がはっきりと見て取れます。日本の若者は基本的に、転職を繰り返すことや、非正規社員でのキャリア形成を望んでいないのです。

 しかし、現在の労働政策はそれとは逆の方向に進んでいるように見えます。働く人の価値観や環境はそれぞれであり、多様化したライフスタイルに対応できる柔軟な雇用形態が必要というのが基本的な考え方です。

 現代においてはどの国もグローバル化を無視して経済を成り立たせることは不可能となっています。海外との輸出入を制限してしまったら今の日本人の生活はまったく成り立たないでしょう。しかし、人、モノ、カネの移動が自由であるということは、今ある仕事がいとも簡単に外国に奪われてしまう可能性があることを意味しています。このような変化の激しい時代においては、人材を固定せず柔軟に移動させた方がよいというのが、雇用流動化の基本的な考え方です。

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最終更新:2015/11/30(月) 4:46
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