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鉄道事故の遠因は「スピードアップ」?/JR北海道が特急を減速減便へ

2013/9/13(金) 11:28配信

THE PAGE

 JR北海道は、相次ぐ列車からの出火・発煙事故を受けて、特急列車の最高速度を落とし、運行本数を減らすことを決定しました。鉄道は他の交通機関に比べて安全な乗り物といわれていますが、今年7月に発生したスペイン高速鉄道の脱線事故や、2005年のJR福知山線の事故など、大規模な事故がたびたび起こっています。これらの事故にはそれぞれ個別の原因があり相互に関連性があるわけではありませんが、事故を誘発する遠因として、スピードアップに対する高い要求やそれに応えるための車両の軽量化という問題があるのではないかと指摘する声もあります。

 JR北海道では、今年4月から、特急列車で発煙や火災が発生する事故が連続して発生しています。このうち床下のエンジンから発煙・出火した事故については、エンジン内部の部品破損が直接の原因であることが明らかになっています。

 現在、札幌と主要都市を結ぶ特急列車は最高速度130キロで運転していますが、11月から適用する新しいダイヤでは、最高速度を100キロから110キロ程度まで落とすとともに、1日の運行本数を8本減少させます。車両への負担を軽減し、十分な整備時間を確保することが目的です。

軽い車両は脱線しやすい側面も

 火災を起こしたエンジンは旧国鉄時代に基本設計が行われたもので50年近く運用されてきた実績のあるものです。デビュー当時はスピードアップの要求に応えられる高出力エンジンとして期待されていたのですが、当初からエンジンがオーバーヒートするというトラブルが発生していました。

 その後、改良を加えながら、実績を積み上げてきたのですが、最近ではスピードアップの要求がさらに厳しくなり、エンジンの出力を上げる改良が再び加えられました。スピードアップへの要求が破損の直接の原因と特定できているわけではありませんが、恒常的な負荷増大が基幹部品の破損につながった可能性はゼロではありません。

 また最近では、スピードアップや低コスト化を狙って車両を簡素化、軽量化する試みも急激に進んでいます。20年前に比べて車両の重量は7割程度まで減少しているのです。軽い車両はエネルギーの消費も少なく、急加速が可能などメリットも多いのですが、状況によっては脱線しやすいという欠点もあります。

 鉄道のスピードアップは、直線部分に限られるため、これ以上車両の高速化を行っても全体的な時間短縮には限界があります。交通機関は安全が第一です。利用者も含めて、ある程度のところで妥協するという感覚も必要かもしれません。


(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

最終更新:2016/2/22(月) 3:18
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