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リニア建設 JR東海の収益どうなる?/開業後は利益激減か

2013/9/20(金) 15:32配信

THE PAGE

 2027年に開業予定のリニア中央新幹線の詳細な走行ルートが明らかになり、リニア開業が現実的な話題となってきました。東京オリンピック招致成功の直後ということもあり、リニア計画の詳細発表に対してはちょっとしたお祭り騒ぎになっています。しかし、国民の期待を集めるこの巨大プロジェクトには、実は大きな懸念材料が横たわっています。それは総額9兆円にも達する巨額の建設費用です。

負債は最大5兆円

 元々は国家プロジェクトとして始まったリニア計画ですが、結局のところJR東海1社がすべての費用を負担することになりました。しかし鉄道からの売り上げが年間1.2兆円程度しかないJR東海が9兆円もの建設費をすべて自己負担するのは明らかに過大といえます。リニア計画が実際にスタートした場合、JR東海はピーク時に5兆円もの負債を抱えることになりますが、これは売り上げの約4倍の規模になります。

 多数の原発やダムといった巨額のインフラを抱えた東京電力でさえ、負債の額は売り上げの2倍以下です。世界を見渡してもこれほど負債が過大な企業は存在していないのです。この巨額の借金を本当に返していけるのか疑問視する声が一部から上がっています。その最大の理由はリニア中央新幹線の収益性にあります。

 JR東海ではリニア計画推進にあたって長期的な推計を行っています。しかし、リニア中央新幹線は基本的に従来の東海道新幹線と顧客を分け合うだけであり、様々な相乗効果を考慮に入れても、全社的な売り上げは10%程度しか増加しないと同社は予測しています。

 2027年の名古屋開業時点での予想売上高(鉄道部門)は1兆2130億円で現在とほぼ同水準、2045年の大阪開業時の予想売上高は10%増の1兆3540億円となっています。企業体力ギリギリの借金をしてリニアを開業させても、売上の増加にはあまり貢献しないと、当の本人が予測しているのです。

2027年の予想経常利益は40%減

 さらに問題なのが利益水準です。設備の償却費用と金利負担で、リニア開業後の経常利益は、現在の水準より大幅に減少すると予想されています。2027年の予想経常利益は40%減の1740億円、2045年の予想経常利益は75%減の750億円まで落ち込みます。つまり、リニアを開業させるとJR東海は儲からなくなってしまうのです。

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最終更新:2016/2/12(金) 3:05
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