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上司の電話に出ない若手 根っこには日本的な会社文化

2013/9/30(月) 11:15配信

THE PAGE

 最近、会社内における電話の使い方について、若い世代と年配世代で激しい対立があるという。かけた電話には原則として出るように主張する年輩社員に対して、若手社員は、電話はいつでも出られるわけではないので、重要な要件ならまずメールで連絡して欲しいと主張して対立しているというのだ。

指示と権限が明確でない

 どちらの主張が正しいのかはともかくとして、この手の論争は、いつかきた道であり、世代交代が起こるごとに常に繰り返されてきたことである。またこうした論争の根底には、指示と権限が明確ではないという日本社会独特の構図が横たわっていることが多い。その点からすれば、まったく意味のない論争といってよいだろう。

 日本の会社において、上司からの電話には必ず出るというルールが存在しているのは、上司からの指示や命令を確実に伝達するためではない。上司と部下という関係性を明確にするための儀式として機能している。その証拠に、留守番電話に要件を吹き込まず「佐々木です。またかけます」といった意味不明のメッセージを残す上司も多いのだ。

 日本の会社では、論理的に指示を出すことはほとんどなく、様々な会話の中から、なんとなく指示や命令が決まっていく。常に対面でやりとりしていないと、業務が進まないのだ。しょっちゅう電話でやりとりするのはそのためである。

 一方、若者はロジカルなのかという決してそうではない。大半の若手社員は、メンドーなので電話に出たくないだけであり、それに対して、あれこれと正当化しているだけだ。

 そのような部下に対して不満があるのなら、上司は業務命令として電話に出ることを強要すればよいだけの話だが、現実的にそれは難しい。外国の企業であれば、解雇も含めて上司に全権限があるので、いい悪いは別として、上司が電話を絶対視するなら、部下に対してはそれを強要するだろう(意外かもしれないが、米国では上司が強要する社内旅行が日本よりもむしろ多いくらいだ)。

 だが日本の上司にはこうした権限は与えられていない。しかも、自分が若い時には、上司からの「理不尽な要求」に対して文句をつけ、上司はそれについて泣き寝入りしてきたわけだから、部下には決して強要できないのだ。

 バブル世代より上は、メールはおろか携帯電話すらなかった。外出先で公衆電話を探して会社にかけ、自分宛のメッセージや上司からの伝言があるか、いちいち確認する必要があった。今の上司たちは当時、これをよく怠り、当時の年配社員からはひどく注意されていたのである。当時の若手社員は、今の若手社員と同じように「用件がないことが分かっているのに何でわざわざ連絡しなければいけないのか」と上司に食ってかかっていた。

 おそらく10年後、20年後にはまったく新しいコミュニケーション・ツールが出現し、現在の若手社員は、将来の若手社員に対して「とりあえあずメールくらいよこせ」と文句を言っているに違いない。

 こうしたコミュニケーションのトラブルをなくすためには、上司と部下の権限を明確にし、ロジカルに指示を出し、業務の成果については本人がしっかりと責任を追う体制を構築する必要がある。だがそのような組織においては、仕事ができなくても何となく在籍していられるといった甘い風潮は存在しないだろう。若手も年配世代も、本当にそのような文化を望んでいるのだろうか?それはかなり疑問である。

(ニュースの教科書)

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最終更新:2015/2/18(水) 2:49
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