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イチからわかる米「債務上限」問題/デフォルトって何?

2013/10/7(月) 13:02配信

THE PAGE

 与野党の対立から予算案が議会を通過せず、米国はとうとう政府機関の一時閉鎖に突入してしまいました。すでにいろいろなところに影響が出始めていますが、10月17日にはさらにやっかいな問題が待ち受けています。米国政府の債務が上限に達していて、この日までに議会が債務上限の拡大に合意しないと米国債が債務不履行(デフォルト)になってしまうのです。

政府が借金できる金額、毎年のように引き上げ

 米国では政府債務の上限(政府が借金できる金額)があらかじめ決められており、これをオーバーすることは許されません。借金が上限に達した場合には、そのたびに議会の承認を受けて国債を追加発行しなければならないのです。現在の債務上限額は約16兆7000億ドル(1630兆円)です。

 経済は年々拡大していますから、債務を歳出の一定割合にとどめていても金額の絶対値は自然に増えていきます。しかし債務の上限は割合ではなく金額の絶対値で規定されていますから、米国では毎年のように上限の改訂をしなければなりません。現在の仕組みがスタートした1940年以降、すでに90回以上も債務上限を改定しています。

 今年もやはり上限の改定を行う必要があるのですが、その期限が10月17日というわけです。与野党の対立が長引いた場合には、債務上限の引き上げに合意できない可能性があるのです。

 米国の政府債務の割合は日本の半分以下(政府が持つ資産を差し引いた純債務でも日本の3分の2)ですから、米国政府には借金をする余力がまだまだあります。しかしルール上、国債を追加発行できないということになると、過去に発行した国債を投資家に償還することができなくなります。これが債務不履行(デフォルト)と呼ばれる事態です。実際に借金を返済する能力があってもデフォルトはデフォルトです。もしこれが本当に発生してしまうと、政府機関の閉鎖などとは比較にならない混乱となるのはほぼ間違いありません。

借金を返せないと世界中が大混乱

 その理由は、日本政府も含め世界各国の政府や金融機関がもっとも安全性の高い資産として米国債を大量に保有しているからです。デフォルトということになると、一時的とはいえ米国債の価格が下落します。金融機関には見かけ上、多額の損失が発生しますから、業務が継続できないところも出てくるでしょう。そうなってしまうと企業の連鎖倒産が発生する可能性があります。

 米国債は中国政府も大量に保有しています。現在、中国はバブル崩壊を何とか食い止めている最中ですが、米国債の価格下落は、場合によっては中国の金融危機の引き金を引いてしまうかもしれません。

 いくら政治的対立があるといっても、債務上限の引き上げ停止だけは絶対にやってはいけない行為といえるでしょう。世界経済は米国の政治家の良心にかかっているのです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/31(日) 4:23
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