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「ブラックホーク・ダウン」から20年、ソマリアは今どうなってるの?

2013/10/12(土) 9:23配信

THE PAGE

テロと海賊の「破綻国家」が新段階に

 1993年10月、アフリカ北東部のソマリアで、米軍の当時の最新鋭ヘリだったブラックホークが撃墜されました。米兵の遺体がソマリア民兵のジープで引きずり回される映像は、世界に衝撃を与えました。映画「ブラックホーク・ダウン」にも描かれた惨事から20年、ソマリアはどうなっているのでしょうか。【国際政治学者・六辻彰二】

 ソマリアでは内戦によって1991年1月にバレ大統領が亡命。これを契機に政府は実質的な権力を失い、お互いに争う武装勢力が各地を支配下におきました。さらに北部はソマリランドを自称してソマリアからの独立を宣言。ソマリアは「破綻国家」と呼ばれる状態に陥ったのです。

2005年に暫定政府が成立したが

 まるで日本の戦国時代のような状況の収拾を目指し、1993年3月に国連が「平和執行」と呼ばれる強制介入の権限を認めた部隊の派遣を決定しました。しかし、多国籍軍の介入を拒絶する武装勢力との間で戦闘が激化。結局、ソマリアに反国連、反米感情を広めただけで、各国部隊は1995年3月までに撤退を余儀なくされたのです。

 ソマリアの状況は周辺国にとっても脅威であるため、国連や米国に主導された強制介入が失敗した後、アフリカ内部での和平に向けた取り組みが本格化しました。2005年1月には各勢力からなる暫定連邦政府が成立しましたが、この背景には米国やEUが支援する、エチオピアやケニアなど周辺国の仲介がありました。

アルカイダと関係する武装勢力が台頭

 ところが、暫定連邦政府が周辺国の傀儡に過ぎないと捉える武装勢力もあり、そのうち「イスラーム法廷連合」が翌2006年6月に首都モガディシュを占領。暫定連邦政府の要請を受けたエチオピア軍がモガディシュを奪還して事態は収拾されたものの、その後国際テロ組織アル・カイダとも関係する、より強硬なイスラーム主義勢力「アル・シャバーブ」が台頭し、ソマリア南部を支配するに至っています。

 アル・シャバーブは今年9月にナイロビでショッピングモール占拠事件を起こしましたが、これはケニアのソマリアに対する関与を非難したものでした。

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最終更新:2015/12/29(火) 2:57
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