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世界一 レッドソックスが上原に賭けたリスク

2013/11/1(金) 18:01配信

THE PAGE

バツグンの安定感だった制球力

 生命線ともいえる制球力は、相変わらず安定していた。四球は、8月3日から与えていないが、ポストシーズンでもゼロ。もちろん四球の数だけで制球力のよさを計ることは出来ないが、かつて上原と対戦したことがあり、今年はチームメートのマイク・カープは、「スプリットを制球出来る点で、他の投手と圧倒的に違う」と話した。

 「カウントを取ることも出来るが、何よりも、落とす高さが絶妙だ。あれ以上低ければ、打者は見逃すだろう。高ければ、バットに当てられるだろう。打者としては、一番手の出る高さから沈む」
 それによって、もう一つ長所が生まれるそうだ。

 「あの高さから沈むと、ちょうど地面につくかどうかすれすれのところで捕手のミットに収まる。となれば、捕手にとって捕ることはそれほど難しくなくなる。もう少し前でバウンドしてしまったら、捕手が後ろに逸らすケースが出てくるからね。上原がマウンドにいるなら、捕手は走者が三塁にいても恐れることなくスプリットのサインを出すのではないか」

 とはいえ、ワールドシリーズに入ると、さすがに“アクセルを踏みっぱなし”の上原にも疲れが見えた。
 最初の3試合は三振を奪えず、度々走者を背負った。

 すでに触れたように第3戦は、不運な走塁妨害でサヨナラ負けを喫したが、まず1死一塁で登板すると、上原はいきなりアレン・クレイグに痛烈な二塁打を許している。

  「あれは完全に失投」
 上原は試合後にそう振り返ったが、彼にしては珍しく、続く場面でも彼らしくなかった。1死二、三塁。もちろん三振をとりたい場面だ。シーズン中の上原なら、狙ってそれを奪うことが出来た。しかし、1ストライクからのスプリットを当てられている。その二塁ゴロがサヨナラの引き金を引いた。

 初球は真っすぐ高め。打たれた2球目のスプリットも高め。微妙な制球を欠くとともに、このとき実は、真っすぐの伸びも欠いていた。

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最終更新:2018/10/5(金) 18:16
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