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インフルエンザ「接触感染」に注意/職場での予防ポイント

2013/11/1(金) 19:15配信

THE PAGE

 東京都の小学校でインフルエンザによる今年始めての学級閉鎖が実施されるなど、今年もカゼの季節がやってきました(感冒やインフルエンザなどのウイルス感染症を総称してここではカゼと呼びます)。日本ではカゼの感染予防策として、うがいや手洗いが推奨されているのですが、これだけでは必ずしも十分な予防法とはいえないかもしれません。

キーボードの汚染度はひどい

 もちろんうがいや手洗いはカゼの予防に効果があります。しかし多くの人が見逃しているのが、手や指を介した接触感染で、実はこのルートによる感染率はかなり高いといわれているのです。2002年に中国で新型肺炎(SARS)が大流行した際には、国際保健機関(WHO)が中心となって感染ルートの調査が徹底的に行われました。その結果、主要な感染ルートの一つとして浮上してきたのは、不特定多数の人が触るエレベータのボタンや地下鉄の吊革でした。

 人間は知らず知らずのうちに、何度も手を口や目に持って行く動作をしています。エレベータのボタンなどで指に付着したウイルスが口や目から体内に入ることで感染が引き起こされるというわけです。せっかく外出から戻って、手を洗い、うがいをしても、その手でビル内にあるエレベータのボタンを触ったり、ドアノブを触ってしまっては意味がなかったわけです。

 米国のニュース番組において、風邪の予防策として真っ先に取り上げられているのはこうした接触感染です。カゼが流行する季節には、会議で紙を回し読みしたり、パソコンを他人とシェアすることは控えるよう呼びかけています。パソコンのキーボードは汚染度がひどく、定期的にキーボードを消毒するだけでもかなりの効果があるそうです。くしゃみをしたり咳をした際、口を押さえた手でそのまま他人のモノを触るという行為は控えた方がよさそうです。

トイレの電灯ボタンをめぐる出来事

 昨年の冬にはちょっと笑えない話もありました。東京都内のあるオフィスビルでは、節電ということでトイレの電灯が消されていたのですが、そのトイレは窓がなくあまりにも暗いことや、電灯のボタンがインフルエンザの感染を媒介するということで、ある企業がせめて冬場だけは電灯を付けっぱなしにするよう提案しました。

 しかし、皆で節電に協力している時に不適切だとして、その提案は一蹴されてしまったというのです。もちろん節電は重要なことなのですが、こういった場合にはヒステリックにならず、それぞれのメリットとデメリットを十分に比較検討してから判断を下すべきといえるでしょう。

 もちろん接触感染への対策を十分に行ったとしても、完璧なわけではありません。たっぷりと休養を取って、体調を維持することが最大の感染予防であることに変わりはありません。

(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

最終更新:2016/2/17(水) 3:06
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