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<婚外子>最高裁違憲判断に議員が反発ってどういうこと?/「三権分立」で批判も

2013/11/7(木) 14:43配信

THE PAGE

 いわゆる「婚外子」の遺産相続を「嫡出子」と同等にする民法の改正案をめぐって、与党内の了承手続きがようやく進み始めました。手続きが遅れていたのは、自民党の保守派議員が改正案に強く反対していたからです。ただ婚外子の相続格差については最高裁がすでに9月に違憲とする判決を出しています。司法判断に反対してきた保守派議員の動きはどのように見ればよいのでしょうか?

 日本の民法には、死亡した人に嫡出子と婚外子の両方がいた場合、婚外子の相続分は嫡出子の半分になるという規定があります。日本ではあらゆる局面で事実婚よりも法律婚が優先されてきましたから、従来の司法判断では婚外子の相続格差は合憲となっていました。しかし9月の判決ではこれを違憲とし、相続に格差があってはならないと判断されたわけです。

最高裁の違憲審査権とは

 自民党は、最高裁の判決を受けて民法を改正する法案を提出する予定ですが、改正に反対する保守派議員の声が大きく党内の了承手続きが遅れていました。これに対して一部からは三権分立に基づく司法判断をないがしろにするものだと批判の声が上がっていました。

 現憲法では、法の下での個人の平等が保証されており、婚外子の相続格差を認めないとする最高裁の判断は極めて妥当なものといえるでしょう。最高裁は個別の法律に関する最終的な違憲審査権を持っています。しかし、最高裁の判断が出たからといって、国会議員が絶対にそれに従わなければならないかというと、必ずしもそうではありません。国会議員は国民から選挙で選ばれた人たちであり、官僚や裁判官とは根本的に立場が異なります。

 行政府が裁判所の決定に従わないということはあってはならないことですが、国会議員は少なくとも有権者の票を背景に自らの信条に基づいて行動する権利があります。国会議員の行動は最終的に選挙によって有権者から判断されるべきものです。

 三権分立はあくまで権力を分散させ、独裁を防ぐための仕組みであって、立法府が司法に従わなければならないという意味ではありません。法を作るのは立法府にのみ認められた権利であり、民主国家である以上、国の最終的な意思決定は立法という行為を通じて、国会でなされるべきものといえます。

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最終更新:2015/12/18(金) 3:57
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