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小中学校教員、大幅削減ってどういうこと?/財務省と文科省が真っ向対立

2013/11/13(水) 14:11配信

THE PAGE

 小中学校の教員数や待遇に関して逆風が吹いています。財務省は現在2014年度予算の編成作業を行っていますが、その中で、文部科学省に対して教員給与の引き下げや教員数の削減を求めています。これはどういうことなのでしょうか?

[図表] 地方公務員の給与削減要請に応じた自治体

「1万4000人減らせ」vs「3万3500人増やせ」

 小中学校の教員は現在約70万人いますが、財務省は教員の定数を毎年2000人ずつ削減し、今後7年で1万4000人を削減すべきだとしています。一方の文部科学省は逆に7年間で3万3500人増加させたい意向で、主張は真っ向から対立しています。

 財務省が削減を要求している根拠は小中学校の児童生徒数の減少です。2000年に1100万人いた児童生徒の数は、少子化の影響でわずか12年で1000万人まで減少しています。一方、教師の数は66万5000人から70万人と逆に増加しているのです。高校教員の数が大幅に減っていることを考えると、確かに小中学校の教員は多すぎるということがいえるかもしれません(文部科学省は教育の質の向上が必要としています)。

給与1.7%引き下げも要求

 また財務省は給与の引き下げも求めています。現在、教員の平均年収は608万円(43歳)ですが、これを1.7%引き下げることで、合計で750億円の支出を減らせるとしています。教員の給与は労働組合が強いこともあり、他の公務員より優遇されています。これを通常の公務員並みに引き下げようというわけです。

 さらに海外と比較すると日本の教員はかなりの好待遇であることが分かります。OECDの調査では、同水準の学歴を持った民間企業の従業員と比較すると、米国の教師は約6割、英国の教師は約8割の給与水準です。同じ調査ではないので単純比較はできませんが、日本の40代の大卒社員の平均年収は533万円(賃金構造基本統計調査)ですから、日本の教員は民間の水準を上回っています。

地方公務員の中でも狙われやすい

 職種という枠組みで見ると確かに日本の小中学校教員は好待遇であり、少子化で子供が減っていることや、厳しい財政事情を考えると財務省の主張には一定の合理性があるといってよいでしょう。しかし、これを職種ではなく、公務員という身分に関する視点で眺めてみると、また違った景色が見えてきます。

 地方公務員の中で教員が占める割合は40%にも達しており、教員の給与は金額の絶対値が大きいという現実があります。また教員には児童生徒の数という分かりやすい指標が存在します。一般の行政職公務員と比較すると、教員は削減対象になりやすい存在といってよいでしょう。予算の削減というのは、このように分かりやすいところがまずターゲットになるのが現実です。政権交代によって教員の労働組合が弱体化していることも影響している可能性もあります。


(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)

最終更新:2016/2/4(木) 2:55
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