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イチからわかる「減反廃止」/コメ政策50年ぶり大転換へ

2013/11/14(木) 12:00配信

THE PAGE

 政府は50年近く続けてきたコメの生産調整、いわゆる減反政策について、5年後の2018年度に廃止する方向で検討を進めています。そもそも減反とはどのような政策で、なぜそれを廃止するのでしょうか?

[表] 日本の農産物「重要品目」の関税率

 減反とは、政府がコメの生産目標を決め、それを農家に割り当てて、コメの生産量を減らす政策です。なぜこのような政策が導入されているのかを理解するためには、日本のコメがどのように作られ、市場に流通しているのかを知る必要があります。

協力した農家に補助金

 日本では、農家が生産した米を一旦政府が買い上げるという、食糧管理制度と呼ばれるシステムを導入していました。市場価格よりも高く政府が買い上げることで、農家の経営を安定させ、主食の米を安定的に供給することがその狙いです。しかし日本が豊かになり食生活が多様化したことで、コメの消費量は徐々に減ってきました。一方で高級ブランド米など付加価値の高い商品へのニーズが高まるなど、従来の食糧管理制度が機能しなくなってきたのです。

 本来は生産したコメは全量を政府が買い上げることになっていたのですが、徐々に自主流通米と呼ばれる政府を通さない商品が増えてきました。自主流通米の多くは良質なブランド米ですから、こうした市場が育ってくると、品質がそれほど高くないコメは市場で売れなくなります。政府が売れない米を買い上げていては、大きな損失が出るばかりでなく、大量のコメの在庫を抱えてしまうことにもなりかねません。これを防ぐための政策が減反というわけです。

 生産量を減らしてしまうと小規模農家は経営が立ちゆかなくなります。減反に協力した農家には補助金を支給することで政府は小規模農家を保護してきました。食糧管理制度自体は最終的に1995年に廃止となりましたが、減反政策はコメの価格維持に加えて、農家という大きな票田を確保する意味もあり、これまでずっと継続されてきたのです。

きっかけはTPP

 政府が減反廃止を決める直接のきっかけになったのは、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の締結です。TPPを締結してしまうと、海外から安い米が大量に輸入されてきます。これに対抗するには、農家を集約化してコスト競争力を付ける必要がありますが、そのためには、小規模農家を支援する減反政策が邪魔になってしまいます。

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最終更新:2016/2/10(水) 4:50
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