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「貯蓄から投資」シフトは進むの?/私的年金制度など検討

2013/11/14(木) 12:50配信

THE PAGE

 1600兆円にのぼる個人金融資産の活用について議論する、財務省・金融庁の金融・資本市場活性化有識者会合が11月11日スタートした。私的年金制度の創設などを通じて、預貯金に大きく偏っている金融資産を株式などのリスク資産に振り分ける。

 政府は「貯蓄から投資へ」というスローガンの下、過去10年以上にわたって貯蓄から株式へのシフトについて議論してきたが、まったく成果は上がっていない。市場関係者の多くは、今回の施策も失敗に終わる可能性が高いと見ている。

 日本は、米国などに比べて個人の金融資産における預貯金の割合が高く、これが資金の円滑な循環を妨げているといわれる。確かに日本の個人金融資産の54%は現預金で、株式(投資信託含む)は12%程度しかない。一方、米国は43%が株式で現預金は13%しかない。

株式投資に魅力がない

 米国では多くの国民が何らかの形で株式投資を行っているため、株価が上昇するとすぐに消費が増えGDPが成長するという効果(資産効果)が得られる。また日本と異なり住宅の質が高く、資産価値が劣化しないので、容易に資産形成が可能となっている。米国のミドル層の生活が、日本人のミドル層よりも圧倒的に豊かなのは、これらが大きく影響している。

 「貯蓄から投資」へという政策はこれにならって日本の家計も株に投資させようというものである。しかし10年間の成果はほぼゼロであり、日本人はまったく株式に投資しようとしなかった。

 政府が打ち出す方策は、今回も含めてほぼすべてが、新制度の創設や優遇税制など、資金の出し手に理由があることを大前提としている。だが、日本において貯蓄から投資への流れがうまくいかないのは、資金の出し手が株式投資に対して極度に消極的だからではない。単純に株式投資に魅力がないので、投資しないだけというのが真実の姿である。政府はこの重大な点を見落としている。というよりも、分かっていてあえてそれを放置しているといった方が正確かもしれない。

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最終更新:2014/11/17(月) 3:52
THE PAGE

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