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暴力団向け債権、国が買い取りってどういうこと?/メガバンク「反社」融資問題

2013/11/18(月) 11:32配信

THE PAGE

 みずほ銀行による暴力団への融資が大きな社会問題になっていますが、これに関連して新たな動きが出てきました。それは、預金保険機構が銀行からの暴力団向け融資の買い取りを強化しようというものです。しかしこの施策はいろいろと問題が多そうです。

 銀行に預けたお金は、仮に銀行が破綻しても1000万円までは全額保護されます。金融機関が破綻した際に、預金者に預金を返したり、破綻した銀行の業務移管などを支援するのが預金保険機構の本来の役割です。

「回収困難な債権」を買い取る制度

 しかし2011年に政府は預金保険法を改正し、同機構の業務に回収困難な債権の買い取りを追加しました。それまで回収困難な債権を同機構(実際にはその傘下である整理回収機構)が回収したケースはほとんどなかったのですが、この制度を暴力団への融資の買い取りに応用しようというわけです。この法改正を受けて預金保険機構は2012年7月より買取りを開始、2013年4月までの実績で合計15件の買取りを行っています。


 公的機関が暴力団向けの融資を買い取ることができれば、金融機関は暴力団との関係を容易に断ち切ることができます。しかしこうした措置は、暴力団に融資した銀行の責任を曖昧にしてしまう危険性があります。

 暴力団排除条例では一般の住民にも暴力団と取引しないよう義務が課されています。しかし、このような制度が出来上がってしまうと、金融機関だけは暴力団と取引しても、国が面倒を見てくれるということになってしまいます。危険な思いをしながら暴力団との取引断絶に苦心している一般の人から見れば非常に不公平です。また最終的に国が引き取るということになると、暴力団との取引を根絶するどころか、さらに審査が甘くなる可能性もあります。

場当たり的な措置のリスク

 このようなモラル・ハザードを起こしかねない制度が検討されていることについて、一部からは、もっと深刻な事態が起こっているのではないかと危惧する声も上がっています。つまり国に救済してもらわないと処理ができないくらいに、暴力団関係の融資が横行している可能性です。

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最終更新:2016/2/14(日) 4:44
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