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原発「最終処分場」なぜメド立たないの?/小泉元首相発言で注目

2013/11/19(火) 15:49配信

THE PAGE

 小泉元首相による脱原発論をきっかけに、放射性廃棄物の最終処分場に関する関心が高まっています。原子力発電所から出る「核のゴミ」は最終的にどのように処分されるのでしょうか?

[図解] 日本の原子力発電所と原子炉数

岩盤を500メートル掘る

 小泉氏が脱原発に転換するきっかけになったのは、その政治的な意図はともかくとして、フィンランドのオンカロ(洞窟、隠し場所を意味する)と呼ばれる最終処分場を見学したことがきっかけだといわれています。フィンランドに建設されている最終処分場では、花崗岩でできた岩盤を500メートルほど掘り下げ、さらに横穴を広げてそこに放射性廃棄物を処分していく予定となっています。放射性廃棄物はガラスで固化され、さらにステンレスの丈夫な容器に封入されます。

 しかし放射性廃棄物の中にはプルトニウムのように半減期が長いものが含まれており、安全なレベルまで放射能が減少するまでには10万年近くの歳月がかかるといわれています。それまでの間には、容器は腐食して中の放射性物質は外部に漏出してしまいますから、地下水がなく地層が安定した場所を最終処分場に選択しないと周辺の環境を汚染する可能性が高くなってしまいます。

 フィンランドの施設は花崗岩の岩盤という非常に条件のよい場所ですが、これでも完全に放射性物質の影響をシャットアウトできるのかは不明です。しかも10万年という時間を考えると、その時に現在の政府はおろか、人類さえも同じ状態で生存しているのか分かりません。小泉元首相をはじめとして原発に慎重な人はこの点を憂慮しているわけです。

 日本でもフィンランドと同様の処分場を建設することが想定されていますが、今のところ、どこに最終処分場を作るのかまだ決定していません。つまりどこにゴミを捨てるのか決めないまま原子力政策を進めているわけです。日本の原発が「トイレなきマンション」と呼ばれるのはこのためです。

「人が住まず安定的な地層を持つ」場所があるか

 日本は、欧州や米国と異なり、人が住んでおらず、しかも安定的な地層を持つ場所がほとんど存在しません。このため、日本で施設を作ることは現実的に不可能であるという見解もあります。

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最終更新:2016/2/5(金) 3:29
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