ここから本文です

暗殺50年 ケネディ元大統領なぜカリスマ的人気? 「人種」めぐる複雑な感情

2013/11/20(水) 11:38配信

THE PAGE

 ケネディ元大統領が暗殺されてから11月22日で50年となる。米国ではオバマ大統領がアーリントン国立墓地にあるケネディ氏の墓を訪れたほか、メディアではケネディ氏に関する特集が組まれている。

 ケネディ氏は、従来にない斬新なイメージをワシントンにもたらし、公民権運動に道筋を付けた歴史的な政治家であり、今でも米国民がもっともあこがれる人物の一人である。一方でベトナム戦争を事実上スタートさせたり、一族が常にマフィアとのトラブルを抱えるなど、多くの負の側面も持ち合わせている。ケネディ氏の暗殺をめぐる真相はいまだに謎のままだ。

 ケネディ氏のカリスマ的な人気には、人種や階級に対する米国人のアンビバレントな感情が大きく影響しており、日本人には少し理解しにくい部分がある。

白人の中で差別されてきたアイルランド系

 ケネディ氏は米国でも有数の資産家の生まれであり、ハーバード大卒という高い学歴や、さわやかなルックスなど、典型的なスター政治家としての素養を持っている。また従来の古くさい政権とは異なり、スター学者や若手を積極的にホワイトハウスのスタッフに登用し、斬新なイメージを演出した。だがケネディ氏に対する尋常ではない人気の背景には、やはり米国の人種問題が大きく影響しており、それは今でも続いている。

 米国では、WASP(ホワイトアングロサクソンプロテスタント)という言葉に代表されるように、プロテスタントのアングロサクソン系が圧倒的な支配力を持っていた。このためカトリック教徒であるイタリア系やアイルランド系は白人社会の中で長く差別されてきた。米国には、白人対黒人という人種問題に加えて、白人内部での差別も根強かったのである。現在でもカトリック教徒で大統領になった人物はケネディ氏しかいない。

 米国の歴史に必ず登場する犯罪集団であるマフィアはイタリア系の組織だが、イタリア系やアイルランド系に犯罪組織が多かったことは、こうした環境が大きく影響している。

 一方同じカトリックでもフランス系だけは別格で、口には出さないが多くのアメリカ人がいまだにフランスにコンプレックスを持っている。土地や株で成功した、いわゆる成金長者の夫人が急にフランス語を勉強しはじめるというのは、いまでもよく見られる光景である。ケネディ家がいかにもフランス系らしい名字であったジャクリーン夫人との結婚を強く望んだのも、政治的な思惑があってのことである。

1/2ページ

最終更新:2015/11/22(日) 4:42
THE PAGE