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増え続ける社会保障費、どうする?/木暮太一のやさしいニュース解説

2013/11/26(火) 10:16配信

THE PAGE

国民医療費38.6兆円、過去最高を更新

大変です。
医療や介護などに使われる社会保障費がどんどん増加しています。

【図表】社会保障プログラム法案のポイント

厚生労働省が今月14日発表した2011年度の国民医療費は過去最高を更新しました。金額にして38.6兆円です。3年連続で1兆円以上増え続けており、13年度には40兆円を突破する見通しです。

このうち、国が負担したお金が約26兆円。この年に国が使った95兆円のうち、4分の1以上が社会保障に充てられていたわけですね。

しかも、これからどんどん増えて行きそうです。

―――「このままで大丈夫なの……!?」

いえ、大丈夫ではありません。そのため、「税と社会保障の一体改革」と称して、消費増税を実施するなど、対策を取ろうとしているのです。

―――「そっか。消費税増税は嫌だけど、仕方ないね」

ただ、消費税を1%上げて増える税収は約2.5兆円です。3%引き上げても、7.5兆円にしかならず、抜本的な解決にはなりません。

日本はこれまで、医療費や介護福祉などの費用が増えた分を、国債を発行することで切り抜けてきました。つまり借金をして当座をしのいでいたのです。

しかし先日、日本の借金はついに1000兆円を突破してしまいました。これ以上、借金を繰り返すことは難しいです。

同時に、社会保障費を抑えていく施策が必要になりますが、これには反発が多く当初の思惑通りに減らせる可能性は極めて低いと考えられます。

「福祉国家」の現実は

―――「でも、北欧みたいに福祉国家になるんだったら、それも悪くないかも」

日本人からすると、北欧の国々は「税金も高いけど、福祉も充実している」という印象を受けますね。「だから、老後が安心」と。たしかにその面はありますが、北欧諸国が医療や福祉に関して、日本より“手厚いサービス”をしているわけではありません。

―――「え? どういうこと??」

たとえば、病院です。日本では、体調が悪くなるとすぐに病院に行くことができます。しかし、北欧では、病院はすぐには診てくれません。

―――「なんで!?!?」

まず病院に電話をします。その電話で、症状を細かく聞かれます。そのうえで、「なるほど、それは医者に診てもらう必要がありますね」と判断されて初めて、病院の診察予約が取れるのです。風邪程度の症状だと、「じゃあ、あなたはこの薬を飲んでください」と市販の薬を紹介されて終わりです。医者にかかることはできないんです。

―――「えっ! そうだったの??」

「医者が診察する必要がある」と認められて初めて病院を利用することができます。日本では、誰でもすぐに病院に行くことができます。医療費のうち、患者が負担するのは一部分だけで、残りは国が負担していますね。そのため、患者が増えれば国の支出が増えます。北欧は“福祉大国”というイメージが強いですが、すべての面において日本よりも手厚いわけではありません。

―――「そうなんだ……。気軽に病院に行くことができないんだね」

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最終更新:2015/12/16(水) 3:31
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