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米タクシー配車サービス「ウーバー」日本上陸 課題は何?

THE PAGE 2013/11/29(金) 10:12配信

 スマホから簡単にタクシーを呼び出せるサービスを提供している米国のベンチャー企業「ウーバー」が11月にとうとう日本に上陸しました。米国では画期的なサービスとして話題ですが、日本のタクシー業界は、ドラッグストアと並ぶ既得権益産業の一つといわれています。果たしてウーバーのサービスは定着するのでしょうか?

最大の障壁は料金体系

 ウーバーは米国サンフランシスコのベンチャー企業で2009年にサービスを開始しました。スマホにアプリをダウンロードして登録すれば、地図上で場所を指定するだけで最寄りのタクシーを配車してくれます。決済もカードで自動的に行われ、走行距離や時間など詳細な料金情報を記した領収書をメールで受け取ることが出来ます。現在、20カ国以上でサービスを展開しており、同社にはグーグルやゴールドマンサックスなどそうそうたる会社が出資しています。

 日本では電話によるタクシーの配車か、一部のタクシー会社が行っているアプリによる配車サービスしかなく、圧倒的に便利なウーバーが本格的にサービスを展開すれば、タクシー業界の風景は一変するといわれています。しかし、よく知られているように、タクシーは規制のオンパレードで、既得権益の代表ともいわれる業界です。ウーバーが本格的にサービスを拡大できるかはまだ不透明です。

 最大の障壁となるのが、料金体系です。ウーバーは本来、タクシー会社ではなく、あくまでタクシーと顧客を結びつけるマッチング業者です。しかしウーバーでは独自の運賃体系と決済システムを用意しており、タクシー側もそれに従う必要があります。ウーバーが日本で設定している料金は、基本料金が100円で、これに時間と距離を併用した料金が加わります(最低料金は800円)。しかしこの料金体系では、日本のタクシー業者としての認可はまず得られません。

薬ネット販売のように新規制も?

 ウーバーは、とりあえず自社で車を用意し、旅行業者としての登録、つまりハイヤーとして日本に進出しているのです。今のところ東京の六本木近辺に限定した運用ですからあまり問題になっていませんが、既存のタクシー会社と本格的に提携してサービスを拡大させた場合には、楽天による薬のネット販売と同じような状況が出現する可能性があります。楽天が薬の販売に新規参入した際には、既存の事業者によるロビー活動で規制が強化され、司法判断が出たにも関わらず政府は新たな規制をかけようとしています。

 ウーバーが成功すれば利用者にとっては非常に便利なことでが、一方で日本人としては複雑な印象を持つ人もいるかもしれません。本来であれば、こうしたサービスは日本企業の手によって実現されるべきだからです。書籍販売がよい例ですが、日本企業が挑戦すると皆で足を引っ張って邪魔する一方、アマゾンのような外資系企業にはあっさりと進出を許してしまうという事態が発生しがちです。サービスに風穴が開き利用者の利便性は高まったものの、それがもたらす利益の大半は外国企業が持って行ってしまう。タクシーの業界もそんな状況になってしまうかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2016/1/15(金) 4:42

THE PAGE

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