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ニュースでよく見る「人身売買」って何? 強制労働や援助交際も

2013/11/30(土) 12:37配信

THE PAGE

「人身売買」という言葉を聞いて、どんなイメージが浮かびますか? 足を鎖でつながれたアフリカ奴隷の姿? 山奥の貧しい家庭から売りに出されたタイの少女のこと? 目の前で人を売り買いするだけが人身売買ではありません。ヨーロッパで問題になっているロマの少女だけでなく、日本でも広く人身売買が行われているのですが、ただそれが一般には人身売買と認識されていないのです。どういうことでしょうか?

そもそも人身売買って?

現在、世界には人身売買(人身取引)の被害者が1200万人いると言われています。東京都の人口と同じくらい。もっと3000万人はいるという人もいます。人身の売買は、犯罪組織にとって武器取引や麻薬取引についで三番目に大きな資金源になっていて、その利益は年間数兆円になるとされています。世界中の大問題なのです。

人身売買の目的は大きく3つあります。労働、売春、臓器売買です。国際ルール(人身売買禁止議定書)にしたがうと、人身売買というのは「自分より弱い立場の人を無理やり働かせたり、売春させたり、臓器を売らせたりしてお金儲けをすること」です。

じゃあ「ブラック企業」も人身売買なの? いやいや、そうではありません。ブラック企業では、社員がいつでも自分の意思で辞められるからです。しかし、自宅が担保にとられるなどして辞められない社員がいるなら、それは人身売買企業です。

非常に広い考え方ですね。

援助交際だって人身売買

アメリカ政府は毎年、「人身取引年次報告書」を公表しています。このなかで、人身売買の根絶に向けた「基準を満たしている国」は、アメリカやイギリス、オーストラリアなど30か国。日本は「基準を満たす国」として認められていません。先進国では最低ランクです。でも、どうして?

たとえば東南アジアの買春ツアーです。相手は強制労働させられている女性や18歳未満の子どもたち。日本人が人身売買の需要を生み出していると報告書は指摘しています。

外国人研修生制度の問題も原因です。研修のはずが実際は労働で、最低賃金も支払われない人たちがいます。研修を切り上げようとすると母国で支払った保証金が差し押さえられるケースも。逃げないようにと、パスポートを取り上げられる人たちもいます。

それからカジュアルに語られる援助交際。自由意志があったとしても、相手が18歳未満の場合は、それは人身売買に該当します。たとえ成人でも交際相手や配偶者に売春を強制させられている場合だってあります。これも人身売買に手を貸していることになります。

警察庁によると、人身売買に関連する犯罪として、2012年に44件、2011年に25件を検挙しています。これは目に見えている人身売買の件数です。世界的な人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチなどは「事件として表面化していないだけ」だと指摘しています。

このような人身売買は「現代の奴隷」とも言われます。外国にも日本にも目に見えない鎖でつながれ、逃げられない人たちがたくさんいるのです。そして、犯罪を摘発するだけでなく、被害者の保護にも力を入れて行くことが求められています。

最終更新:2015/12/4(金) 4:46
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