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<ボクシング>村田諒太 プロ2戦目勝利の意義

2013/12/7(土) 2:13配信

THE PAGE

 村田諒太は戸惑っていた。
 「ガツン、ストンという感じでパンチが流れた」

 ブロックを固めてプレッシャーをかけながら、強力な右を打ち込むがフィニッシュブローには持ち込めない。デイブ・ピーターソンは、両手を広げて何度もノーダメージをアピールした。アメリカ人は、常に足を使い、体を動かしているから、まるでグニャグニャのゴムにパンチを打ち込んでいるようなものなのだろう。

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 動きを止めたい村田は左手で押さえ込んで右を浴びせたが、強引すぎて空を切った。それでもワンツーはよく当たった。クリンチをふりほどき、近距離からも強引にパンチを振り下ろした。アマチュア時代の武器でもあったボディも使った。各ラウンドのポイントは確実に奪っていた。

 だが、なかなかミドル級の醍醐味とも言えるシーンにつなげることができない。逆に無防備にガードが下がったところにフックも浴びた。
 「(相手のフックは)効かなかったけれど、あれがゴロフキン(WBA世界ミドル級王者)なら倒されていたでしょう」。両国国技館には欲求不満のような空気が流れていた。

■金メダリストらしく仕留める

 しかし、そのまま最終ラウンドのゴングを聞かないのが金メダリストの所以である。5ラウンドに入ると左ジャブで試合を組み立て始めた。
 セコンドの指示は「重心を下げ、膝をやわらかく使え」。リードブローからワンツーにつなげ左右のボディを織り込みながら徐々にペースを奪い返す。デイブは、相変わらずステップを踏みながら軽いスイング系のパンチを振り回してくるが、“本当のプレッシャー”に耐え切れず下がり始めた。最終ラウンド。

 村田の強烈な左フックにデイブが顔色を失ってぐらついた。ロープを背負い防戦一方となるとレフェリーがスタンディングダウンを取った。試合が再開されると村田は一気にたたみかけた。デイブが、明らかに戦意を喪失したことを確認するとレフェリーが手を上げて割って入った。

 8回、1分20秒TKO勝利。
 アメリカ・ラスベガスの合宿では、6回、9回という長いスパーリングを行なう際、必ず最終ラウンドを「チャンピオンズラウンド」と名付け、倒すことを意識させて、ラッシュを義務つけてきたという。苦しい時にこそ前へ出ろ。村田の人生訓を地で行くような練習スタイルがプロ2戦目で実を結んだ。

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最終更新:2016/1/2(土) 4:57
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